第24回 言語聴覚士国家試験 第191問
聴力検査第24回
難聴の原因と予測される検査結果との組み合わせで正しいのはどれか。
a.外傷性鼓膜穿孔 ― ティンパノメトリC型
b.CJB2遺伝子変異 ― 気導骨導差のある聴力
c.SLC26A4遺伝子変異 ― 聴覚閾値の変動
d.ムンプス難聴 ― 一側聴力のスケールアウト
e.auditory neuropathy spectrum disorder ― 遅延側音効果
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
各選択肢を慎重に検討する必要があります。c(SLC26A4遺伝子変異による聴覚閾値の変動)とd(ムンプス難聴による一側聴力のスケールアウト)が正しい組み合わせです。
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【各選択肢の解説】
a. 外傷性鼓膜穿孔 ― ティンパノメトリC型
❌ 誤り。外傷性鼓膜穿孔はティンパノメトリA型です。ティンパノメトリC型は「耳管機能不全」(陰圧が発生)を示し、鼓膜穿孔は静的コンプライアンスの低下を来してティンパノメトリA型になります。
b. CJB2遺伝子変異 ― 気導骨導差のある聴力
❌ 誤り。CJB2遺伝子変異はコネキシン26の遺伝子で、最も多い非症候群性感音難聴の原因です。感音難聴を生じるため、気導骨導差は生じません(気導=骨導=低下が特徴)。気導骨導差が生じるのは伝音難聴です。
c. SLC26A4遺伝子変異 ― 聴覚閾値の変動
✅ 正しい。SLC26A4遺伝子変異はペンドレッド症候群の原因で、進行性感音難聴を来します。その特徴は「変動する聴力」です。特に低周波音が変動しやすく、同一検査でも異なる結果が得られることがあります。
d. ムンプス難聴 ― 一側聴力のスケールアウト
✅ 正しい。ムンプス難聴は典型的に「一側高度感音難聴」です。スケールアウト(検査機器の最大出力でも聴取不可)となることが多く、一側性という点で特徴的です。
e. Auditory neuropathy spectrum disorder ― 遅延側音効果
❌ 誤り。遅延側音効果(Lombard効果の遅延版)はANSDの特徴ではなく、通常の聴覚処理の特性です。ANSDは「正常な外有毛細胞機能(OAE正常)なのに聴力閾値が高い」「語音弁別が著しく不良」「ABR異常」という検査パターンが特徴です。
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【試験対策ポイント】
遺伝性聴覚障害の遺伝子と臨床特徴:
| 遺伝子 | 関連蛋白 | 臨床特徴 | 聴力パターン |
|---|---|---|---|
| CJB2 | コネキシン26 | 非症候群性 | 感音難聴(気導=骨導) |
| SLC26A4 | ペンドリン | ペンドレッド症候群・甲状腺腫 | **進行性・変動性** |
| GJB2 | コネキシン26 | 先天性感音難聴 | 感音難聴 |
| GJB6 | コネキシン30 | 先天性感音難聴 | 感音難聴 |
ウイルス性難聴(ムンプス)の特徴:
- 一側性が圧倒的(両側は稀)
- 急速発症
- 高度感音難聴(スケールアウトになることが多い)
- 改善可能性は低い
ティンパノメトリの型分類(重要):
- A型:正常
- Ad型:高コンプライアンス(耳小骨連鎖離断)
- As型:低コンプライアンス(外耳道狭窄・耳硬化症初期)
- B型:コンプライアンス計測不可(滲出液・鼓膜穿孔・耳垢栓