STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第193問

聴覚系第24回
中枢性聴覚障害でしばしば見られる特徴として誤っているのはどれか。
  1. 1.環境音に比べて言語音の認識が低下する。
  2. 2.純音聴力検査で気導骨導差を生じる。 ✓
  3. 3.純音聴力検査結果と比べて語音明瞭度が低下する。
  4. 4.静寂下での聞き取りに比べて騒音下での聞き取りが低下する。
  5. 5.語音明瞭度の悪化に比べてプロソディの聴取が保たれている。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 純音聴力検査で気導骨導差を生じる。 中枢性聴覚障害は「内耳以下の末梢聴覚系」が正常のため、純音聴力検査では気導値と骨導値が同様に低下することはなく、気導骨導差(ABG:エアボーンギャップ)は生じません。気導骨導差は「伝音難聴」の特徴的な所見です。中枢性聴覚障害は聴神経から中枢(脳幹・側頭葉皮質など)の障害であり、末梢の音の伝導メカニズムには影響しないため、気導と骨導は同等に保たれます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 環境音に比べて言語音の認識が低下する。 ✅ 正しい。中枢性聴覚障害は複雑な時間的変化や周波数変化を追跡する能力が低下するため、言語音(特に子音など変化に富んだ音)の認識が環境音よりも著しく低下します。この現象は「言語優位の低下」と呼ばれます。 2. 純音聴力検査で気導骨導差を生じる。 ❌ 誤り。中枢性聴覚障害では末梢聴覚系が正常であるため、気導と骨導の値は同様に保たれ、気導骨導差は生じません。ABGは伝音難聴の特徴です。中枢性聴覚障害では純音聴力検査自体は正常値を示すことが多いのに対し、複雑な聴覚課題で低下が顕在化します。 3. 純音聴力検査結果と比べて語音明瞭度が低下する。 ✅ 正しい。中枢性聴覚障害の典型的特徴が「語音弁別能の低下」です。純音閾値(最小可聴閾値)は正常範囲でも、言語音の細かい音の区別や認識が低下するため、語音明瞭度検査では期待値より著しく低下します。これは中枢性聴覚障害の最重要診断根拠です。 4. 静寂下での聞き取りに比べて騒音下での聞き取りが低下する。 ✅ 正しい。中枢性聴覚障害では「聴覚フィルタリング機能」が障害されるため、背景雑音を除外する能力が低下します。雑音下での言語認識が特に悪くなる現象を「カクテルパーティー効果の喪失」と呼びます。 5. 語音明瞭度の悪化に比べてプロソディの聴取が保たれている。 ✅ 正しい。プロソディ(イントネーション・リズム・強弱など)は比較的簡単な周波数・時間特性であり、言語音の弁別(より複雑な信号処理)に比べて保たれやすいです。中枢性聴覚障害では複雑な信号処理能力が選択的に低下するため、この乖離が見られます。 --- 【試験対策ポイント】 気導骨導差(ABG)の出現条件: - ABG出現 → 伝音難聴(中耳障害・外耳道閉塞) - ABG出現しない → 感音難聴、中枢性聴覚障害 中枢性聴覚障害の診断根拠: | 検査 | 結果 | |---|---| | 純音聴力検査 | 正常 or わずかな異常 | | 語音明瞭度 | 著しく低下(診断根拠) | | 気導骨導差 | なし | | 自記聴力計 | 異常なし | 中枢性聴覚障害の特徴的聴覚症状: - 言語音認識 < 環境音(言語優
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