STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第21問

臨床神経学第24回
偽(仮)性球麻痺の症状はどれか。 a.嚥下障害 b.構音障害 c.複視 d.呼吸障害 e.舌萎縮 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b 偽性球麻痺は両側の錐体路障害により起こる症状で、延髄の神経核そのものは障害されていません。そのため嚥下障害と構音障害が特徴的に現れますが、舌萎縮(下位運動ニューロン障害の徴候)や複視、呼吸障害は典型的ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 a. 嚥下障害 ✅ 正しい。両側錐体路障害により咽頭・喉頭の随意的な筋肉制御が困難になり、嚥下時に食物が気道に落ちやすくなります。これが偽性球麻痺の主要症状の一つです。 b. 構音障害 ✅ 正しい。両側錐体路の障害により舌・口蓋・唇などの筋肉が硬直(痙性)となり、努力性嗄声や鼻音性構音障害(いわゆる「むせぶような」「努力的」な話し方)が出現します。 c. 複視 ❌ 誤り。複視は外眼筋麻痺(脳神経III、IV、VI番の障害)に起因する症状であり、偽性球麻痺では起こりません。複視を伴う場合は脳幹症候群など別の病態を示唆します。 d. 呼吸障害 ❌ 誤り。呼吸障害は高位脊髄(C3以上)の損傷やALSの進行末期など、より全身的な筋力低下を伴う場合に生じます。偽性球麻痺単独では呼吸筋まで著明に障害されることは少なく、典型的症状ではありません。 e. 舌萎縮 ❌ 誤り。舌萎縮は舌下神経核(下位運動ニューロン)の直接障害を示しており、これは真性球麻痺の特徴です。偽性球麻痺では舌が小さくなることなく、むしろ硬直して動きが鈍くなります。 --- 【試験対策ポイント】 偽性球麻痺 vs 真性球麻痺の鑑別表 | 症状 | 偽性球麻痺(両側錐体路↓) | 真性球麻痺(脳神経核↓) | |---|---|---| | 舌所見 | 硬直・動き鈍い | 萎縮・線維束性収縮 | | 嚥下 | 障害あり | 障害あり | | 構音 | 努力性嗄声(痙性) | 気息性嗄声(弛緩性) | | 反射 | 亢進(腱反射) | 減弱~消失 | | 病変部位 | 両側半球~脳幹上部 | 延髄の脳神経核 | 典型的な原因疾患 - 偽性球麻痺:脳血管障害(多発梗塞)、ALS(進行期)、脳炎 - 真性球麻痺:脳幹梗塞、脊髄空洞症、延髄腫瘍 下位運動ニューロン症状(萎縮・線維束性収縮)の出現=真性球麻痺と覚える
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