STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第22問

臨床神経学第24回
下位運動ニューロン徴候はどれか。
  1. 1.痙縮
  2. 2.繊維束性収縮 ✓
  3. 3.バビンスキー徴候
  4. 4.バレー徴候
  5. 5.ロンベルグ徴候

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 繰維束性収縮 繊維束性収縮は下位運動ニューロン(脊髄前角細胞や末梢神経)障害の特徴的な徴候です。運動ニューロン病(ALS)やポリオなど、下位運動ニューロン障害時に脱神経された筋線維が不規則に収縮する現象であり、皮膚の上からは細かい波状のかすかな動きが観察されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 痙縮 ❌ 誤り。痙縮は上位運動ニューロン障害の徴候です。脳卒中や脊髄損傷など、脳・脊髄の中枢神経系障害で生じる筋緊張の亢進で、特に抗重力筋に強く出現します。 2. 繊維束性収縮 ✅ 正しい。下位運動ニューロン障害の古典的徴候です。前角細胞の神経線維が障害されると、その支配域の筋線維が不規則・非同期的に収縮し、皮膚表面に小さな波状の動きが見えます。ALSの初期診断に重要な所見です。 3. バビンスキー徴候 ❌ 誤り。足底反射が外側に向かう現象で、上位運動ニューロン障害の徴候です。脳卒中や脊髄損傷で陽性化します。下位運動ニューロン障害では足底反射自体が消失または減弱します。 4. バレー徴候 ❌ 誤り。閉眼時に挙上した両腕が下墜する現象で、上位運動ニューロン障害(特に脳卒中)を示唆します。一側の脳半球障害で対側の上肢に出現し、片麻痺の早期発見に用いられます。 5. ロンベルグ徴候 ❌ 誤り。閉眼時に身体動揺が著しくなる現象で、後索損傷(脊髄癆など)による深部感覚障害を示します。下位運動ニューロン障害ではなく、求心路(感覚路)障害の徴候です。 --- 【試験対策ポイント】 上位運動ニューロン vs 下位運動ニューロン徴候の区別 | 項目 | 上位運動ニューロン障害 | 下位運動ニューロン障害 | |---|---|---| | **筋緊張** | 痙縮(亢進) | 弛緩性麻痺(低下) | | **筋萎縮** | 軽度・遅発性 | 急速・著明 | | **繊維束性収縮** | なし | あり(★重要) | | **反射** | 亢進 | 消失・減弱 | | **バビンスキー** | 陽性 | 陰性 | | **好発部位** | 脳・脊髄 | 脊髄前角・末梢神経 | 【キーワード】 - 繊維束性収縮:脱神経筋の不随意収縮。ALS診断に不可欠な神経電図所見 - バレー徴候=腕下墜(上位運動ニューロン障害) - ロンベルグ=深部感覚障害(後索障害) - 下位運動ニューロン病:筋萎縮が「早期に著明」なのが特徴
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