第24回 言語聴覚士国家試験 第31問
精神医学第24回
適応障害の説明として誤っているのはどれか。
- 1.適応障害の下位分類には、抑うつ気分や不安を伴う症状がある。
- 2.長時間の手洗いや確認行動を伴う症状がある。 ✓
- 3.素行の異常を伴うことがある。
- 4.本来ならば喜ばしいできごとが原因で発症することがある。
- 5.明確なストレスによって引き起こされる。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 長時間の手洗いや確認行動を伴う症状がある。
適応障害は「明確なストレス因に対する過剰な心理的反応」であり、そのストレス因の除去や時間経過で軽快する疾患です。長時間の手洗いや確認行動は強迫性障害の特徴的症状であり、適応障害には含まれません。この区別は診断上の重要な鑑別点です。
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【各選択肢の解説】
1. 適応障害の下位分類には、抑うつ気分や不安を伴う症状がある。
✅ 正しい。適応障害の主要症状は抑うつ気分、不安、行動障害などであり、ストレス因への過剰な情動反応として現れます。
2. 長時間の手洗いや確認行動を伴う症状がある。
❌ 誤り。これは強迫性障害の強迫行為の典型例です。適応障害では強迫行為は見られません。この誤った選択肢を見分けることが重要です。
3. 素行の異常を伴うことがある。
✅ 正しい。適応障害は下位分類に「素行の異常を伴う」型が存在し、特に青少年で非行的行動(無断欠席・犯罪行為など)が現れることがあります。
4. 本来ならば喜ばしいできごとが原因で発症することがある。
✅ 正しい。適応障害のストレス因は負のできごと(失職・離婚など)に限定されず、昇進・結婚・転居など一般には喜ばしいできごとでも発症する点が特徴です。
5. 明確なストレスによって引き起こされる。
✅ 正しい。適応障害の定義そのものが「明確で同定可能なストレス因に対する反応」です。これが他の精神疾患との重要な鑑別点です。
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【試験対策ポイント】
適応障害の定義と特徴:
- 明確なストレス因が存在する
- ストレス因後3ヶ月以内に発症
- ストレス因の除去で軽快
- 下位分類:抑うつ気分、不安、素行の異常、混合型
強迫性障害との鑑別:
| 項目 | 適応障害 | 強迫性障害 |
|---|---|---|
| 強迫行為 | 見られない | 手洗い・確認など明示的 |
| ストレス因 | 明確に存在 | 存在しない場合が多い |
| 時間経過 | ストレス除去で軽快 | 慢性経過 |
| 治療反応 | 環境調整が有効 | 認知行動療法・SSRIが中心 |
頻出の鑑別ポイント:
- 「喜ばしいできごとが原因」→適応障害の特徴
- 「手洗い・確認行動」→強迫性障害
- 「ストレス因が明確」→適応障害を強く示唆