第24回 言語聴覚士国家試験 第32問
臨床心理学第24回
遊戯療法の説明として正しいのはどれか。
a.治療関係において子どもにも責任があることを自覚させる。
b.子どもの会話や行動について具体的に指示をする。
c.子どもが自分の否定的な感情を表出しないようにする。
d.安定した人間関係を基盤として、認知機能の向上を支援する。
e.治療の進行を急がない。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a,d,e
遊戯療法は、子どもの発達段階に適した遊びを通じて治療的関係を構築し、自己表現を促進する心理療法です。子どもの自主性を尊重し、治療者は安定した関係の中で見守る役割を担い、急がずに進行させることが基本原則です。
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【各選択肢の解説】
a. 治療関係において子どもにも責任があることを自覚させる。
✅ 正しい。遊戯療法では、治療的関係の中で子どもが主体的に参加し、自分の行動や選択に対する責任を徐々に自覚することが重要な治療的成果となります。
b. 子どもの会話や行動について具体的に指示をする。
❌ 誤り。遊戯療法の基本は子どもの自発性を尊重することです。治療者が具体的に指示するのではなく、子どもが主導権を持ち、治療者はその遊びを追従・受容する立場が原則です。
c. 子どもが自分の否定的な感情を表出しないようにする。
❌ 誤り。遊戯療法は、遊びという安全な環境を通じて、むしろ否定的な感情(不安・怒り・恐怖など)を自由に表出させることが治療的目的です。感情の抑制ではなく適応的な表出を促します。
d. 安定した人間関係を基盤として、認知機能の向上を支援する。
✅ 正しい。治療者との安定した信頼関係が遊戯療法の基盤であり、その中で子どもの問題解決能力・自己理解・認知的柔軟性などが自然に向上します。
e. 治療の進行を急がない。
✅ 正しい。遊戯療法は子どもの個別ペースを尊重し、無理に進行させないことが原則です。治療者は待つ姿勢を持ち、子ども自身の成長・変化に任せます。
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【試験対策ポイント】
遊戯療法の基本原則(よく混同される項目)
| 原則 | 遊戯療法の立場 | 誤りやすい対立概念 |
|---|---|---|
| 子どもの主導権 | 自発性・自由な選択を尊重 | 治療者が指示・コントロール |
| 感情表出 | 否定的感情の適応的表出を促進 | 感情抑制・管理 |
| 関係形成 | 安定した信頼関係が前提 | 上下関係・指導的立場 |
| 治療ペース | 子ども中心の緩やかな進行 | 急速な問題解決志向 |
| 責任感 | 段階的な自覚促進 | 子どもに全責任押付け |
遊戯療法で強調されるキーワード:
・非指示的(子どもが主導)
・受容と傾聴
・安全基地の提供
・表現の自由(特に感情)
・時間的ゆとり
よく出題される誤解パターン:
→「指示的」「指導的」「急ぐ」「感情抑制」は全て遊戯療法の反対概念