第24回 言語聴覚士国家試験 第34問
生涯発達心理学第24回
愛着(アタッチメント)について正しいのはどれか。
a.ストレンジ・シチュエーション法では親子が遊ぶ様子から子の愛着タイプを分類する。
b.ストレンジ・シチュエーション法の対象年齢は満1歳程度である。
c.親の養育行動は子の愛着行動の影響を受ける。
d.乳児期の親への愛着は幼児期以降の対人関係に影響する。
e.回避型の愛着の主たる原因は親の虐待的な養育である。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — b,c,d
愛着理論における正しい知識は、ストレンジ・シチュエーション法の対象年齢が満1歳程度であること、親の養育行動が子の愛着行動に相互的に影響を受けること、そして乳幼児期の親への愛着が生涯の対人関係の基盤となることです。
---
【各選択肢の解説】
a. ストレンジ・シチュエーション法では親子が遊ぶ様子から子の愛着タイプを分類する。
❌ 誤り。ストレンジ・シチュエーション法は「親との分離と再会場面」における幼児の反応から愛着タイプを分類します。親子が遊ぶ様子ではなく、見知らぬ人の登場、親からの分離、再会時の反応パターンを観察することが特徴です。
b. ストレンジ・シチュエーション法の対象年齢は満1歳程度である。
✅ 正しい。Ainsworths が開発したストレンジ・シチュエーション法は、生後12ヶ月前後(満1歳程度)の乳幼児を対象に、約20分間の構造化された場面で愛着パターンを評価します。この時期が愛着が明確化する重要な時期です。
c. 親の養育行動は子の愛着行動の影響を受ける。
✅ 正しい。愛着は「親から子へ」の一方向的影響ではなく、双方向的な相互作用です。子の愛着行動(泣く、抱きつく等)は親の養育行動を引き出し、親の反応性が高いほど子の愛着形成が促進されます。これは「相互作用仮説」として重要です。
d. 乳児期の親への愛着は幼児期以降の対人関係に影響する。
✅ 正しい。Bowlby の愛着理論では、乳幼児期の親との愛着経験が「内的作業モデル」(人間関係についての信念・期待)を形成し、その後の友人関係・恋愛・親になった際の養育行動まで生涯にわたって影響することが強調されています。
e. 回避型の愛着の主たる原因は親の虐待的な養育である。
❌ 誤り。回避型愛着の主たる原因は「親の拒否的・距離的な養育態度」です。虐待的な養育は「恐怖-逆説型愛着(D型)」の主要因とされています。混同しやすい選択肢ですが、愛着タイプと養育行動の対応関係を正確に理解することが重要です。
---
【試験対策ポイント】
愛着の4つの基本タイプと養育行動の関係
| 愛着タイプ | 分離時の反応 | 再会時の反応 | 主な原因となる養育 |
|---|---|---|---|
| A型(回避型) | 泣かない | 無視・背を向ける | 親の拒否的・距離的対応 |
| B型(安定型) | 泣く | 積極的に接近・落ち着く | 親の反応的・感応的対応 |
| C型(抵抗型) | 強く泣く | 接近と怒りが混在 | 親の一貫性のない対応 |
| D型(恐怖-逆説型) | パニック | 接近と回避が混在・奇異な行動 | 親の虐待的・脅迫的対応 |
ストレンジ・シチュエーション法の重要ポイント
- 対象年齢:生後12ヶ月前後(満1歳程度)
- 実施場面:見知らぬ部屋(ストレンジ・シチュエーション)
- 観察項目:分離前→母親不在→再会時の