STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第47問

言語発達学第24回
象徴機能はどれか。
  1. 1.言語を客観的に捉える働き。
  2. 2.パターン化したやりとりをする働き
  3. 3.シンボルによって指示対象を代表する働き ✓
  4. 4.他者からの援助や共同によって課題達成する働き
  5. 5.事物の属性に気付くことで共通の意味的概念を形成する働き

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — シンボルによって指示対象を代表する働き 象徴機能(symbolic function)とは、ある物が別の物を「表す」「代表する」という認知能力のことです。言語はその最たる例で、音声や文字が現物なしにその対象を指し示す働きです。Piaget理論で強調される、具体的操作期前の発達段階において獲得される重要な認知機能です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 言語を客観的に捉える働き ❌ 誤り。これは「メタ言語的能力」や「言語意識」の説明です。象徴機能ではなく、象徴機能を基盤としてより発達段階の後期に獲得される高次の認知機能となります。 2. パターン化したやりとりをする働き ❌ 誤り。これは「相互作用」や「やりとり」の初期形態であり、象徴機能以前の段階での行動特性です。象徴的な表現を伴わない身体的・行動的なやりとりを説明しており、象徴機能の定義ではありません。 3. シンボルによって指示対象を代表する働き ✅ 正しい。これが象徴機能の本質的な定義です。犬が「ワン」という音声で代表される、積み木が「病院」を代表されるなど、シンボル(言語・遊び・イメージなど)が現物なしに対象を表現する能力そのものです。 4. 他者からの援助や共同によって課題達成する働き ❌ 誤り。これは「スキャフォルディング」や「近接発達領域(ZPD)」に関連するVygotsky理論の概念です。象徴機能は個人の認知能力であり、社会的相互作用の側面を直接的には説明しません。 5. 事物の属性に気付くことで共通の意味的概念を形成する働き ❌ 誤り。これは「概念形成」や「分類」という認知過程を説明しており、象徴機能よりも発達段階の後期で発達する機能です。象徴機能は「代表する」ことであり、「属性に気付く」ことではありません。 --- 【試験対策ポイント】 象徴機能と頻出関連概念の整理: | 概念 | 定義 | 該当段階(Piaget) | |---|---|---| | 象徴機能 | シンボルが現物を代表する | 前操作期(1.5~7歳) | | メタ言語能力 | 言語を客観的に分析する | 具体的操作期以降 | | 相互作用 | やりとりのパターン化 | 感覚運動期~ | | 概念形成 | 属性から意味を統合 | 具体的操作期以降 | | スキャフォルディング | 他者との共同による支援 | Vygotsky理論 | 重要:象徴機能の具体例 - 言語習得の基盤(音が対象を表す) - ごっこ遊び(積み木が病院になる) - 映像メディアの理解(画面が現実を代表) - 1.5~2歳で顕著に出現 頻出誤答パターン:「言語の客観化」を象徴機能と混同する受験生が多いため、「代表する」と「分析する」の違いを徹底する。
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