STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第5問

解剖学第24回
正しいのはどれか。
  1. 1.心室と心房は同時に収縮する。
  2. 2.右心室と左心室の収縮期の内圧は等しい。
  3. 3.心室拡張期の大動脈と左心室の内圧は等しい。
  4. 4.冠動脈血流量は心室拡張期に増加する。 ✓
  5. 5.動脈弁の開放は房室弁の閉鎖よりも早く起こる。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 冠動脈血流量は心室拡張期に増加する。 心臓の冠動脈血流は心筋の収縮圧に強く影響を受けます。心室拡張期には心筋が緩むため冠動脈の圧迫が解除され、血流抵抗が低下して血流量が増加します。一方、心室収縮期には心筋の強い収縮により冠動脈が圧迫されて血流量が減少します。これは心臓の特異的な血流パターンです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 心室と心房は同時に収縮する。 ❌ 誤り。心房が収縮した後、わずかな時間経過(PR間隔:0.12~0.20秒)を経て心室が収縮します。房室伝導によるこの遅延は生理的に必要で、心房の拍出血が心室に十分流入する時間を確保しています。 2. 右心室と左心室の収縮期の内圧は等しい。 ❌ 誤り。左心室の収縮期内圧は120mmHg程度であるのに対し、右心室は約25mmHg程度です。左心室は全身への高圧出血を担当するため、より高い圧力を発生させます。 3. 心室拡張期の大動脈と左心室の内圧は等しい。 ❌ 誤り。心室拡張期には動脈弁が閉じているため、大動脈(約80mmHg)と左心室(低圧)の圧が等しくなることはありません。大動脈圧は左心室収縮期の拍出直後から徐々に低下していきます。 4. 冠動脈血流量は心室拡張期に増加する。 ✅ 正しい。心室拡張期に心筋が緩むことで冠動脈の圧迫が解除され、血流抵抗が低下して血流量が増加します。逆に心室収縮期は心筋の強い収縮により冠動脈が圧迫され血流量が減少します。 5. 動脈弁の開放は房室弁の閉鎖よりも早く起こる。 ❌ 誤り。心臓の電気機械現象として、房室弁(僧帽弁・三尖弁)の閉鎖が先に起こり(S1の発生)、その直後に心室内圧が上昇して動脈弁が開放されます。「房室弁閉鎖→動脈弁開放」が正しい順序です。 --- 【試験対策ポイント】 心臓周期における圧力変化と弁の開閉タイミング(最頻出項目) | 事象 | 心房圧 | 左心室圧 | 大動脈圧 | 弁の状態 | |---|---|---|---|---| | 心室拡張期(中期) | 低い | 低い(10mmHg以下) | 60~80mmHg | AV弁開放、動脈弁閉鎖 | | 心室等容収縮期 | — | 上昇(弁開かず) | — | AV弁・動脈弁共に閉鎖 | | 心室射出期 | — | 最高(120mmHg) | 最高(120mmHg) | 動脈弁開放、AV弁閉鎖 | | 心室等容拡張期 | — | 低下(弁開かず) | 下降(80mmHg) | 両弁共に閉鎖 | キーワード: - 房室弁閉鎖→動脈弁開放(この順序を間違えやすい) - 冠動脈血流:拡張期優位(逆説的だが必ず覚える) - 左右心室圧差:約4~5倍(左>右) - PR間隔:房室伝導時間の指標 - S1(第1心音):房
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