STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第52問

言語聴覚障害総論第24回
正しい組み合わせはどれか。
  1. 1.吃音 ― 声の衛生
  2. 2.失語症 ― 聴覚口話法
  3. 3.聴覚障害 ― 刺激法
  4. 4.言語発達障害 ― インリアルアプローチ ✓
  5. 5.運動障害性構音障害 ― 機能再編成法

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 言語発達障害 ― インリアルアプローチ 言語発達障害の治療には、自然な相互作用の中で子どもの興味関心に基づいて言語刺激を与えるインリアルアプローチが適切です。環境と相互作用を通じた学習を促進する最新のアプローチとして位置づけられています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 吃音 ― 声の衛生 ❌ 誤り。吃音の治療は「話し方の訓練」(呼吸法・音の出し方の改善)が中心であり、音声障害の治療法である声の衛生(喫煙・飲酒制限、咳払い改善など)は直接的には適用されません。 2. 失語症 ― 聴覚口話法 ❌ 誤り。聴覚口話法は聴覚障害児の音声言語獲得を支援する方法です。失語症には「言語訓練」「機能再編成」「環境調整」などが適用されます。失語症と聴覚口話法の組み合わせは誤りです。 3. 聴覚障害 ― 刺激法 ❌ 誤り。刺激法は「運動障害性構音障害」の治療で、聴覚刺激・触覚刺激を用いて音の産生を促す方法です。聴覚障害の治療には「人工内耳・補聴器」「視話法」「聴覚口話法」などが適用されます。 4. 言語発達障害 ― インリアルアプローチ ✅ 正しい。インリアルアプローチは、日常的で自然な活動や場面の中で、子どもの興味関心に基づいた言語学習を促す方法です。親子相互作用や環境との関わりを活用する点で、言語発達障害に最適な現代的アプローチです。 5. 運動障害性構音障害 ― 機能再編成法 ❌ 誤り。運動障害性構音障害には「刺激法」「口腔運動訓練」「構音訓練」などが用いられます。機能再編成法は「失語症」の治療法の一つで、損傷した脳領域の機能を他領域に移行させるアプローチです。 --- 【試験対策ポイント】 言語聴覚障害の主要な治療アプローチ対応表 | 障害 | 適切な治療法 | 誤りやすい選択肢 | |---|---|---| | 吃音 | 話し方訓練・呼吸法・音の出し方改善 | 声の衛生(音声障害向け) | | 失語症 | 言語訓練・機能再編成・環境調整・SLT | 聴覚口話法(聴覚障害向け) | | 聴覚障害 | 人工内耳・補聴器・視話法・聴覚口話法 | 刺激法(構音障害向け) | | 言語発達障害 | インリアルアプローチ・親子相互作用 | — | | 運動障害性構音障害 | 刺激法・口腔運動訓練・構音訓練 | 機能再編成法(失語症向け) | 重要な区別ポイント 刺激法:視覚・聴覚・触覚などの感覚刺激を用いて音の産生を促す→運動障害性構音障害に用いる 機能再編成法:損傷脳領域の機能を他脳領域に代償させる神経可塑性を利用→失語症に用いる 聴覚口話法:音声と口唇読取の組み合わせで言語発達を支援→聴覚障害児向け インリアルアプローチ:自然な相互作用の中で環境を活用した学習→言語発達障害に最適な現代的手法
関連

▶ 第24回 全問一覧

▶ 言語聴覚障害総論 の過去問一覧