第24回 言語聴覚士国家試験 第53問
言語聴覚障害総論第24回
言語聴覚療法における評価・診断の概念について誤っているのはどれか。
a.測定とは検査得点を基準値と比較して判断することである。
b.評価とは対象のある特性を数量化することである。
c.診断とは評価結果、その他の情報を統合して障害の種類や発現メカニズムを明らかにすることである。
d.診断的治療とは診断が確定しないときに訓練・指導を試みて障害の特徴を明らかにすることである。
e.良い評価・診断の条件には妥当性・信頼性が高いことが含まれる。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
言語聴覚療法の評価・診断は階層的なプロセスです。「測定」「評価」「診断」の定義を厳密に区別する必要があります。aとbの定義が逆になっており、これが最頻出の誤り箇所です。
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【各選択肢の解説】
a. 測定とは検査得点を基準値と比較して判断することである。
❌ 誤り。測定とは「対象のある特性を数量化すること」です。基準値との比較は測定の後の段階であり、これは「評価」の定義に該当します。選択肢の説明は評価のプロセスを測定と混同しています。
b. 評価とは対象のある特性を数量化することである。
❌ 誤り。評価とは「測定結果(数量化された値)を基準値や基準と比較して判断すること」です。数量化そのものは測定であり、aとbの定義が逆になっています。この誤りはST試験で繰り返し問われます。
c. 診断とは評価結果、その他の情報を統合して障害の種類や発現メカニズムを明らかにすることである。
✅ 正しい。診断は測定→評価→診断という階層的プロセスの最上位であり、複数の評価結果と病歴・理学所見など他の臨床情報を総合的に統合して障害の本質を特定することです。
d. 診断的治療とは診断が確定しないときに訓練・指導を試みて障害の特徴を明らかにすることである。
✅ 正しい。不確実性が高い段階で、治療的介入を通じて患者の反応や変化を観察し、診断を確定させるプロセスです。STの実践では頻繁に用いられる手法です。
e. 良い評価・診断の条件には妥当性・信頼性が高いことが含まれる。
✅ 正しい。信頼性(再現性・一貫性)と妥当性(測定対象を正しく測定しているか)は評価ツール・検査の質を保証する基本条件であり、教育学的にも医学的にも重要です。
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【試験対策ポイント】
測定・評価・診断の3階層構造(絶対暗記)
| 段階 | 操作内容 | 出力 | 比較対象 |
|---|---|---|---|
| 測定 | ある特性を数量化する | 数値(スコア) | 基準値と比較する前段階 |
| 評価 | 測定値を基準値と比較して判断 | 相対的判定 | 正常値・発達水準・疾患基準 |
| 診断 | 評価結果+他の臨床情報を統合 | 障害の種類と発現メカニズム | 疾患分類(ICD等) |
紛らわしい用語の区別
- 診断的治療:診断未確定時の治療的試行
- 治療的診断:治療反応から障害を推定
- スクリーニング検査:正常/異常の二分法
- 診断検査:障害の詳細を把握
頻出キーワード
- 信頼性:同じ対象・条件で繰り返し測定して再現性があるか(テスト-再テスト法、評価者間信頼性)
- 妥当性:その検査が本来測定するべきものを正しく測定しているか(内容的妥当性、基準関連妥当性)