第24回 言語聴覚士国家試験 第55問
失語症第24回
失語症について正しいのはどれか。
- 1.読字が正常なタイプがある。
- 2.書字が正常なタイプがある。
- 3.原因として知的能力障害がある。
- 4.原因としててんかんがある。 ✓
- 5.原因として心因性がある。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 原因としててんかんがある。
失語症は後天的な脳損傷に伴う言語障害です。原因としててんかんが挙げられます。特に、てんかん発作重積状態(ステータス・エピレプティクス)により、脳の言語領域が損傷を受けた場合、失語症を呈することがあります。一方、他の選択肢は失語症の定義や本質と矛盾します。
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【各選択肢の解説】
1. 読字が正常なタイプがある。
❌ 誤り。失語症では、口話理解・読字・書字のすべてが障害されます。「読字だけが正常」というタイプは存在しません。これは失語症の本質的特徴です。失語症は言語機能全般の障害であり、単一モダリティ(読字だけ)が選別的に保存されることはありません。
2. 書字が正常なタイプがある。
❌ 誤り。失語症患者では、読字・書字・口話表出・理解のいずれもが障害されます。書字だけが完全に正常であるタイプは存在しません。書字障害は失語症の必須的な特徴です。
3. 原因として知的能力障害がある。
❌ 誤り。知的能力障害(発達的な知的障害)は失語症の原因ではありません。失語症は「後天的な脳損傷」による言語障害であり、生まれつきや発達期の知的障害は含まれません。知的能力障害患者の言語障害は「失語症」ではなく「言語発達遅滞」です。
4. 原因としててんかんがある。
✅ 正しい。失語症の原因は脳卒中(脳梗塞・脳出血)が最も多いですが、外傷、腫瘍、感染症(髄膜炎・脳炎)、てんかん発作重積状態など多岐に渡ります。てんかんの長時間の発作や重積状態により脳の言語領域が損傷されれば、失語症が発症します。
5. 原因として心因性がある。
❌ 誤り。心因性の原因では失語症は発症しません。心因性の音声・言語障害は「心因性失声症」や「心因性言語障害」と分類され、失語症とは異なります。失語症は器質的脳損傷による言語障害であり、心因性ではない点が重要です。
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【試験対策ポイント】
失語症の定義と原因(重要)
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 定義 | 後天的な脳損傷による言語障害 |
| 必須特徴 | 読字・書字・口話すべてが障害される |
| 保存される機能 | なし(全モダリティ障害) |
失語症の主要原因
・脳卒中(脳梗塞・脳出血)【最多】
・外傷
・腫瘍
・感染症(脳炎・髄膜炎)
・てんかん発作重積状態
・低酸素脳症
失語症の定義に含まれないもの
・心因性言語障害(器質的損傷がない)
・言語発達遅滞(発達障害、知的障害)
・構音障害(言語理解・表出は正常)
・失声症(音声障害のみ)
重要:「読字が正常」「書字が正常」というタイプは失語症には存在しません。失語症は多モダリティ障害です。