第24回 言語聴覚士国家試験 第58問
失語症第24回
失語症の評価について誤っているのはどれか。
- 1.呼称では語彙性を考慮する必要がある。 ✓
- 2.単語の復唱は語長を考慮する必要がある。
- 3.単語の書字では親密度を考慮する必要がある。
- 4.単語の音読では文字数をお考慮する必要がある。
- 5.単語の聴覚的理解では頻度を考慮すうる必要がある。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 呼称では語彙性を考慮する必要がある。
呼称(命名)検査は、提示された物や画像に対して患者が何と名前をつけるかを測定するものです。この検査では「語彙性」ではなく、「親密度」「頻度」「視覚的複雑性」などを考慮して検査語を選定します。語彙性(語がどれだけ多くの意味を持つか)は呼称検査の本質的な測定対象ではなく、むしろ親密度や語彙年齢など別の変数が重要です。
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【各選択肢の解説】
1. 呼称では語彙性を考慮する必要がある。
❌ 誤り。呼称検査では親密度(Familiarityスコア)、使用頻度、視覚的複雑性、カテゴリーなどを考慮しますが、語彙性(多義性)は主要な考慮項目ではありません。特に失語症評価では一義的で明確な命名対象を選定します。
2. 単語の復唱は語長を考慮する必要がある。
✅ 正しい。復唱は音韻短期記憶の容量制限を反映するため、モーラ数や音節数などの語長が正答率に直結します。短い単語と長い単語での成績を比較することで、音韻記憶容量を評価します。
3. 単語の書字では親密度を考慮する必要がある。
✅ 正しい。書字検査では、患者が経験や日常生活で頻繁に目にする親密度の高い語ほど想起しやすく、正答率が高くなります。評価の信頼性を高めるため語の親密度は統制が必要です。
4. 単語の音読では文字数を考慮する必要がある。
✅ 正しい。音読は視覚認知から音韻化の過程を評価するため、文字数(グラフィック複雑性)が正答率に影響します。短い文字(「火」)と長い文字(「龍」)では視覚的処理負荷が異なります。
5. 単語の聴覚的理解では頻度を考慮する必要がある。
✅ 正しい。聴覚的理解では、高頻度語は神経ネットワークで強化されているため低頻度語より正答率が高くなります。音韻理解の真の能力を評価するため、頻度を統制した語彙の選定が重要です。
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【試験対策ポイント】
失語症評価の各下位検査における統制項目
| 検査課題 | 主要な統制項目 | 理由 |
|---|---|---|
| 呼称(命名) | 親密度、使用頻度、視覚複雑性、カテゴリー | 一義性・明確性を保証 |
| 復唱 | **語長(モーラ数)**、文法性 | 音韻短期記憶容量を測定 |
| 書字 | 親密度、頻度、画数 | 想起の容易さを統制 |
| 音読 | **文字数(グラフィック複雑性)**、規則性 | 視覚的処理負荷を統制 |
| 聴覚的理解 | **使用頻度**、親密度 | 音韻−意味の照合を測定 |
重要な否定知識:
- 呼称では「語彙性(多義性)」は主要な統制項目ではない
- 各課題は異なる神経機構を反映しており、統制項目も課題固有