STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第59問

失語症第24回
誤っているのはどれか。
  1. 1.総合的失語症検査では、失語症の重症度をお知ることができる。
  2. 2.SALA失語症検査には、文の理解・産生に関する項目が含まれる。
  3. 3.標準失語症検査補助テストには、統語機能を精査する項目が含まれる。 ✓
  4. 4.モーラ分解・抽出検査は、仮名文字訓練のための掘り下げ検査として用いられる。
  5. 5.実用コミュニケーション能力検査日本語版は、非言語的な反応についても評価する。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 標準失語症検査補助テストには、統語機能を精査する項目が含まれる。 標準失語症検査(SLTA)の補助テストは「音韻操作」「かな文字」「漢字」などの文字機能に特化した項目で構成されており、統語機能(文法構造の理解・産生)を精査する項目は含まれていません。統語機能の精査が必要な場合は、別途「標準失語症検査補助テスト(統語機能検査)」など他の専門的検査を使用する必要があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 総合的失語症検査では、失語症の重症度をお知ることができる。 ✅ 正しい。SLTA・SALA・WABなどの総合的失語症検査は、複数の言語機能領域(復唱・理解・命名など)を総合評価し、総合得点から失語症の重症度(軽度~重度)を判定できます。 2. SALA失語症検査には、文の理解・産生に関する項目が含まれる。 ✅ 正しい。SALA(Standard Language Test of Aphasia)は語彙・文・段落レベルでの理解および産生能力を評価する項目を含み、単語レベルだけでなく統語的複雑性も考慮した総合検査です。 3. 標準失語症検査補助テストには、統語機能を精査する項目が含まれる。 ❌ 誤り。SLTA補助テストは「音韻操作」「仮名文字」「漢字」など文字処理機能に特化しており、統語機能(助詞・助動詞・時制など文法機能)を精査する項目は含まれていません。 4. モーラ分解・抽出検査は、仮名文字訓練のための掘り下げ検査として用いられる。 ✅ 正しい。モーラ分解・抽出検査はSLTA補助テストに含まれ、仮名文字の習得に向けた音韻操作能力を評価し、文字訓練の必要性・方向性を判定します。 5. 実用コミュニケーション能力検査日本語版は、非言語的な反応についても評価する。 ✅ 正しい。実用コミュニケーション能力検査(CADL-J)は、身振り・表情・指差しなどの非言語的反応を含む日常生活場面でのコミュニケーション能力全体を評価する検査です。 --- 【試験対策ポイント】 | 検査名 | 評価内容 | 重症度判定 | 特徴 | |---|---|---|---| | SLTA(標準失語症検査) | 語・復唱・理解・命名・文法 | ○ | 日本語標準化。補助テストで文字・音韻機能を追加評価 | | SALA失語症検査 | 語彙・文・段落レベルでの理解産生 | ○ | 統語複雑性を段階的に評価 | | WAB失語症検査 | 内容語・機能語・復唱・理解 | ○ | 国際標準。失語症タイプ分類に有用 | | CADL-J(実用コミュニケーション検査) | 日常生活場面での実用的コミュニケーション(言語+非言語) | △ | 社会的参加・適応を重視 | SLTA補助テストの4つの柱: - 音韻操作(モーラ分解など) - 仮名文字機能 - 漢字機能 - (文字機能に特化 → 統語機能は含まれない) 頻出陥阱:「補助テスト=全機能補助ではない」「補助テスト=文字と音韻に限定」を常に意識する
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