第24回 言語聴覚士国家試験 第64問
高次脳機能障害第24回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.標準高次動作性検査 ― 口舌顔面失行
- 2.ストループテスト ― 展望記憶 ✓
- 3.ピラミッズ アンド バーム ツリーズ・テスト ― 意味記憶
- 4.バーミンガム物体認知バッテリー ― 視覚性失認
- 5.日本版レーヴン色彩マトリックス検査 ― 知的機能
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — ストループテスト ― 展望記憶
ストループテストは前頭葉機能(特に抑制制御・認知的柔軟性)を評価する検査であり、展望記憶(将来の行動を計画し実行する能力)ではなく「遂行機能」を測定します。展望記憶は別途の検査(例:仮想的日常生活動作検査VLT)で評価されます。
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【各選択肢の解説】
1. 標準高次動作性検査 ― 口舌顔面失行
✅ 正しい。標準高次動作性検査(SPTA)は、身体図式障害や失行症(特に観念失行・観念運動失行・口舌顔面失行)を評価する検査として確立されています。口舌顔面失行は舌・口唇・咽頭などの随意的非言語運動の障害を検出できます。
2. ストループテスト ― 展望記憶
❌ 誤り。ストループテストは色名単語を読むときの干渉効果(「赤」と書かれた「青」の文字を見て「赤」と言う)を利用して、注意・認知的柔軟性・抑制制御などの「遂行機能」を評価します。展望記憶(将来設定した時刻に特定の行動を実行する能力)の評価には別の検査が必要です。
3. ピラミッズ・アンド・パーム・ツリーズ・テスト ― 意味記憶
✅ 正しい。この検査は対象物の視覚的表現と意味を結びつける能力を評価し、意味記憶(事物・言葉の意味など、個人的な経験と無関係な知識)の障害を検出できます。意味性認知症などで低下します。
4. バーミンガム物体認知バッテリー ― 視覚性失認
✅ 正しい。この検査は視覚的物体認知の複数側面(形態知覚・物体判断・画像の一致)を評価し、視覚性失認(視力は正常だが物体が認識できない障害)の診断に適しています。
5. 日本版レーヴン色彩マトリックス検査 ― 知的機能
✅ 正しい。この検査は非言語的推論能力や図形的思考能力を測定し、知的機能の評価に広く用いられます。言語能力の影響を最小限に抑えた知的機能評価が可能です。
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【試験対策ポイント】
検査と測定機能の対応表(高次脳機能障害)
| 検査名 | 主評価項目 | 注意点 |
|---|---|---|
| ストループテスト | 遂行機能・抑制制御・認知的柔軟性 | 展望記憶ではない |
| 標準高次動作性検査 | 失行症(口舌顔面失行・観念失行) | 身体図式障害も評価 |
| ピラミッズ&パームツリーズ | 意味記憶・意味認知 | 語義障害の検出 |
| バーミンガム物体認知B | 視覚性失認 | 形態知覚~物体判断の段階的評価 |
| レーヴン色彩マトリックス | 知的機能(推論能力) | 非言語性・言語不要 |
よく混同される記憶概念
- 展望記憶:「将来いつ何をするか」を実行する能力(例:明日の朝9時に薬を飲む)
- 意味記憶:事実知識・概念知識(例:首都はどこか、犬とは何か)
- エピソード記憶:個人の経験記憶(例:昨日何を食べたか)
キーワード:ストループテストが測る「色の干渉」は、前頭葉の