第24回 言語聴覚士国家試験 第80問
運動障害性構音障害第24回
舌尖部切除術後に行うのはどれか。
- 1.ブローイング訓練
- 2.咽頭破裂音産生訓練
- 3.口腔内圧を高める訓練
- 4.バルブ型スピーチエイドの制作
- 5.上顎前歯と下唇での破裂音産生訓練 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 上顎前歯と下唇での破裂音産生訓練
舌尖部切除術後は舌先の機能喪失により、歯槽部での破裂音産生が困難になります。そのため、補償的な音声産生方法として「上顎前歯と下唇」を使った代替音産生訓練を行い、失われた舌機能を他の構音器官で補います。
---
【各選択肢の解説】
1. ブローイング訓練
❌ 誤り。ブローイング訓練は肺活量・呼吸支持力を強化する訓練で、舌尖部切除術の補償訓練としては特異的ではありません。
2. 咽頭破裂音産生訓練
❌ 誤り。咽頭破裂音は咽頭壁の接触で産生され、舌尖部機能喪失と無関係です。舌尖部切除後の直接的な補償方法ではありません。
3. 口腔内圧を高める訓練
❌ 誤り。口腔内圧の強化も有用ですが、舌尖部喪失の「直接的な代替方法」ではなく、補助的な役割に過ぎません。
4. バルブ型スピーチエイドの制作
❌ 誤り。バルブ型スピーチエイドは咽頭閉鎖不全(開鼻声)の患者に使用する補助具で、舌尖部切除術後の補償訓練とは無関係です。
5. 上顎前歯と下唇での破裂音産生訓練
✅ 正しい。舌尖部(歯槽部での破裂音産生)が喪失されたため、唇歯音(/f/など)や唇音系の破裂音産生能力を代替音として活用する訓練です。前歯と下唇の接触で音の通路を遮断し、破裂音を人工的に産生します。
---
【試験対策ポイント】
舌尖部切除術後の構音障害補償戦略
| 喪失機能 | 代替部位 | 産生音 |
|---|---|---|
| 舌尖(歯槽部)破裂音 | 上顎前歯+下唇 | 唇歯接触音(代用) |
| 舌全体機能 | 咽頭壁接触 | 咽頭破裂音 |
構音訓練選択の判断基準
- 「どの構音器官が失われたか」→それを補う代替器官を使う訓練を選ぶ
- 舌尖喪失 → 下唇を使った訓練が直結
- 咽頭閉鎖不全 → スピーチエイド
- 呼吸支持不足 → ブローイング訓練
スピーチエイドの正体
- 「バルブ型」= 開鼻声の患者向け(咽頭弁形成補助)
- 舌機能喪失には無関係