第24回 言語聴覚士国家試験 第81問
運動障害性構音障害第24回
運動過多性構音障害をきたすのはどれか。
- 1.重症筋無力症
- 2.口部顔面ジスキネジア ✓
- 3.ギランバレー症候群
- 4.筋萎縮性側索硬化症
- 5.パーキンソン病
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 口部顔面ジスキネジア
口部顔面ジスキネジアは、不随意運動を主徴とする運動障害で、意図しない舌や口唇、顔面の異常な運動が頻繁に出現します。これにより構音時の音声産生メカニズムが不安定になり、「運動過多性構音障害」をきたします。一方、選択肢1・3・4・5はいずれも筋力低下や麻痺を主とする「運動低下性」または「弛緩性」の構音障害です。
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【各選択肢の解説】
1. 重症筋無力症
❌ 誤り。下位運動ニューロンの障害に分類され、眼瞼下垂や球麻痺症状(開鼻声・気息性嗄声)を示す「弛緩性構音障害」をきたします。反復運動で症状が悪化する特徴がありますが、不随意運動ではなく筋力低下が主です。
2. 口部顔面ジスキネジア
✅ 正しい。タルドゥイブ(遅発性ジスキネジア)の一種で、統合失調症の抗精神病薬長期使用に伴う不随意運動が特徴です。舌、唇、顔面の反復的・無目的な異常運動により、構音時の器官の位置制御が不可能になり、典型的な「運動過多性」構音障害となります。
3. ギランバレー症候群
❌ 誤り。末梢神経の脱髄疾患で、下位運動ニューロン障害を起こし、筋力低下や呼吸筋麻痺をきたします。球麻痺による「弛緩性構音障害」であり、不随意運動を伴いません。
4. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
❌ 誤り。上位・下位運動ニューロンの双方が侵される混合型で、「痙性+弛緩性の混合性構音障害」をきたします。筋萎縮と筋力低下が主で、不随意運動(ジスキネジア)は含まれません。
5. パーキンソン病
❌ 誤り。錐体外路系の障害により「運動低下性構音障害」をきたします。特徴は音声単調性、加速現象、反復的な音の反復困難ですが、これは運動が「低下」した結果であり、過多ではありません。
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【試験対策ポイント】
運動障害性構音障害の分類(Mayo分類)
| 障害の性質 | 分類 | 代表疾患 | 音声特性 |
|---|---|---|---|
| 運動低下 | 痙性 | 脳卒中(両側) | 努力性嗄声 |
| 運動低下 | 弛緩性 | 球麻痺・重症筋無力症 | 開鼻声・気息性 |
| 運動低下 | 失調性 | 小脳疾患 | スキャニング音 |
| 運動低下 | 運動低下性 | パーキンソン病 | 単調・加速現象 |
| 運動低下 | 混合性 | ALS | 痙性+弛緩性混在 |
| **運動過多** | **ジスキネジア系** | **口部顔面ジスキネジア** | **不安定な音声** |
キーワード
- 運動過多性=不随意運動が主(ジスキネジア・振戦・舞踏運動など)
- 運動低下性=筋力低下・麻痺が主
- 口部顔面ジスキネジア=タルドゥイブ(遅発性ジスキネジア):抗精神病薬長期使用の副作用として舌・口唇