STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第82問

運動障害性構音障害第24回
正しい組み合わせはどれか。
  1. 1.小脳損傷 ― 気息性嗄声
  2. 2.大脳基底核損傷 ― 開鼻声
  3. 3.両側大脳皮質損傷 ― 発話速度低下 ✓
  4. 4.一側大脳皮質損傷 ― スラー様発話
  5. 5.下位運動ニューロン損傷 ― 発話速度増加

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 両側大脳皮質損傷 ― 発話速度低下 両側大脳皮質損傷による痙性構音障害は、両側錐体路の障害により「偽性球麻痺」を呈し、筋緊張が亢進して動きが制限されるため発話速度は著しく低下します。努力的で緩慢な発話が特徴です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 小脳損傷 ― 気息性嗄声 ❌ 誤り。小脳損傷は失調性構音障害を呈し、特徴は「スキャニングスピーチ」(断綴性発話)です。気息性嗄声は下位運動ニューロン損傷(球麻痺)で見られます。 2. 大脳基底核損傷 ― 開鼻声 ❌ 誤り。大脳基底核損傷は運動低下性構音障害を呈し、特徴は「加速現象」と「音量の低下」です。開鼻声は軟口蓋麻痺による下位運動ニューロン損傷の特徴です。 3. 両側大脳皮質損傷 ― 発話速度低下 ✅ 正しい。両側大脳皮質損傷は痙性構音障害で、両側錐体路の障害により筋緊張が亢進し、発話速度は著しく低下します。努力的で緩慢な発話が特徴です。 4. 一側大脳皮質損傷 ― スラー様発話 ❌ 誤り。一側大脳皮質損傷では片側の病変であり、通常「軽度な構音異常」や「軽度な嗄声」程度に留まり、スラー様発話は見られません。スラー様発話は弛緩性構音障害の特徴です。 5. 下位運動ニューロン損傷 ― 発話速度増加 ❌ 誤り。下位運動ニューロン損傷(球麻痺)では「気息性嗄声」「開鼻声」「スラー様発話」を呈し、発話速度は低下または正常です。発話速度増加は見られません。 --- 【試験対策ポイント】 Mayo分類による運動障害性構音障害の特徴: | 責任部位 | 分類 | 主要特徴 | 声の特徴 | |---|---|---|---| | 両側錐体路 | 痙性 | 発話速度↓、努力的 | 努力性嗄声 | | 下位運動ニューロン | 弛緩性 | 発話速度↓、力弱い | 気息性嗄声・開鼻声 | | 小脳 | 失調性 | スキャニングスピーチ | 断綴性発話 | | 大脳基底核 | 運動低下性 | 加速現象、小声 | 音量低下 | 重要な誤り易いポイント: - 一側大脳皮質損傷では「構音障害」が出現しない(言語中枢損傷とは異なる) - 発話速度増加は「運動低下性構音障害(パーキンソン病)」の「加速現象」のみ - 開鼻声・気息性嗄声は「下位運動ニューロン」由来
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