STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第83問

運動障害性構音障害第24回
顎と舌の分離運動を促す訓練はどれか。
  1. 1.閉口のまま発声する。
  2. 2.開口と閉口を繰り返す。
  3. 3.舌圧子を両唇間で保持する。
  4. 4.開口のまま強い呼気を出す。
  5. 5.バイトブロックを挟みながら舌尖音の産生をする。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — バイトブロックを挟みながら舌尖音の産生をする バイトブロック(咬合板)を奥歯に挟むことで、顎の運動を固定(独立させ)ながら舌尖音(/t/、/d/など)を産生する訓練。これにより顎と舌の相互依存的な動きを遮断し、舌単独の精密な運動能力を引き出すことができます。特に痙性麻痺などで顎舌の協調運動が過剰になっている場合に有効です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 閉口のまま発声する。 ❌ 誤り。顎を固定した状態での発声は、むしろ顎と舌の結合を強化してしまい、分離運動の訓練にはなりません。共運動をむしろ助長します。 2. 開口と閉口を繰り返す。 ❌ 誤り。これは顎単独の運動訓練です。舌と顎を分離するものではなく、両者が同期して動く状態のままです。 3. 舌圧子を両唇間で保持する。 ❌ 誤り。舌圧子保持は「舌の固さ」(筋緊張)を高める目的で、舌と顎の分離運動そのものを促すものではありません。 4. 開口のまま強い呼気を出す。 ❌ 誤り。呼気コントロールの訓練であり、舌と顎の分離運動を直接的には促しません。 5. バイトブロックを挟みながら舌尖音の産生をする。 ✅ 正しい。バイトブロックが顎(奥歯)の位置を固定するため、舌尖のみが自由に動き、/t/・/d/などの舌尖音を産生できます。これは顎と舌の独立した制御能力を養う最適な訓練です。 --- 【試験対策ポイント】 運動障害性構音障害の訓練原理(顎・舌・唇の分離) | 訓練対象 | 訓練方法 | 固定する部位 | 目的 | |---|---|---|---| | 舌と顎の分離 | バイトブロック+舌尖音 | 顎(奥歯) | 舌単独の精密運動 | | 舌と唇の分離 | 舌を口腔外に出したまま発声 | 唇 | 舌の独立制御 | | 顎単独 | 開口と閉口の繰り返し | 上顎 | 顎の可動域・筋力 | | 唇単独 | 唇圧子保持&/p/・/b/音 | 下顎 | 唇の筋力・協調性 | キーワード:「何を固定するか」に注目する。バイトブロックは「顎を固定=舌を自由にする」という戦略です。
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