第24回 言語聴覚士国家試験 第84問
嚥下障害第24回
嚥下造影検査で評価が困難な項目はどれか。
- 1.食塊形成
- 2.下咽頭唾液貯留 ✓
- 3.喉頭挙上
- 4.嚥下反射惹起
- 5.食塊通過時間
正答:2番
解説
# 第24回 第84問 解説
■ 正答:2番 — 下咽頭唾液貯留
嚥下造影検査(VF:Videofluorography)は造影剤(バリウムなど)を含んだ食物を嚥下させてX線透視下で観察する検査のため、造影されない「唾液」の貯留は評価が困難です。下咽頭(梨状窩)の唾液貯留の評価は、嚥下内視鏡検査(VE)の得意とする領域です。
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【各選択肢の解説】
1. 食塊形成
✅ 正しい。VFで評価可能です。側面像により口腔内での食塊の保持・形成、舌運動による咽頭への送り込みを観察できます。
2. 下咽頭唾液貯留
❌ 誤り(これが正答)。唾液は造影されないためVFでは描出されず、貯留の評価は困難です。**唾液貯留の評価はVE(嚥下内視鏡検査)が第一選択**であり、梨状窩や喉頭蓋谷の貯留を直接観察できます。
3. 喉頭挙上
✅ 正しい。VFの側面像では甲状軟骨・舌骨の上方前方への挙上運動が明瞭に観察でき、挙上距離やタイミングを定量評価できます。
4. 嚥下反射惹起
✅ 正しい。VFで評価可能です。造影剤が咽頭へ流入した時点から喉頭挙上が開始されるまでの時間(咽頭通過時間)で嚥下反射の惹起タイミングを評価できます。
5. 食塊通過時間
✅ 正しい。VFの強みの一つで、口腔通過時間・咽頭通過時間・食道通過時間などを定量的に測定できます。
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【試験対策ポイント】
**VF(嚥下造影)とVE(嚥下内視鏡)の使い分けは国試頻出**
| 評価項目 | VF | VE |
|---|---|---|
| 食塊形成・口腔期 | ◎ | △ |
| 咽頭通過・通過時間 | ◎ | ×(ホワイトアウト) |
| 喉頭挙上 | ◎ | △ |
| 嚥下反射惹起 | ○ | ◎ |
| **唾液貯留** | **×** | **◎** |
| 誤嚥・喉頭侵入 | ◎ | ◎ |
| 咽頭残留 | ◎ | ◎ |
| 被曝 | あり | なし |
| ベッドサイド実施 | × | ◎ |
**覚え方のポイント**
- VFは「造影剤が見える検査」→ **造影されない唾液は見えない**
- VEは「粘膜を直接見る検査」→ **唾液・分泌物の評価に最適**
- 嚥下の瞬間そのもの(whiteout期)はVEでは見えず、VFで評価
**頻出のひっかけ**
- 「唾液貯留」=VEの独壇場(VF不可)
- 「咽頭期の食塊動態」=VFが得意(VEはホワイトアウトで不可)
- 両検査は**相補的**な関係にあることを押さえる