STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第85問

嚥下障害第24回
エアロゾル発生リスクが低いのはどれか。
  1. 1.排痰訓練
  2. 2.口腔内吸引
  3. 3.咳嗽訓練
  4. 4.口腔ケア
  5. 5.頭部挙上訓練 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 頭部挙上訓練 頭部挙上訓練は患者が静かに体位変化を行う受動的な訓練であり、呼気流や飛沫が発生しないためエアロゾル発生リスクが最も低い。これに対し他の4つの選択肢はすべて、患者の呼気や咳嗽に伴う飛沫・エアロゾル産生を伴う。 --- 【各選択肢の解説】 1. 排痰訓練 ❌ 誤り。患者に咳嗽を促す訓練であり、気道分泌物を含む飛沫・エアロゾルが大量に発生する。新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、最もリスクが高い処置として認識されている。 2. 口腔内吸引 ❌ 誤り。唾液を含む湿性物質の吸引時に、吸引ポイントまでのエアロゾル漏出が避けられない。特に舌根部や咽頭部の吸引ではエアロゾル発生が多い。 3. 咳嗽訓練 ❌ 誤り。患者に意識的に咳をさせる訓練であり、強い呼気流に伴い飛沫核(エアロゾル)が遠距離まで飛散する。感染管理上最もハイリスク。 4. 口腔ケア ❌ 誤り。口腔内の湿性物質(唾液・歯垢)を扱うため、器具の挿入や清拭時に飛沫が発生する。嘔吐反射誘発時はエアロゾル発生が増加する。 5. 頭部挙上訓練 ✅ 正しい。患者が坐位またはベッドを起こした状態を保つだけの受動的な訓練であり、患者からの呼気流・飛沫・エアロゾル産生がない。嚥下機能向上には有効だが、感染リスクが極めて低い。 --- 【試験対策ポイント】 エアロゾル発生の有無を判定する3つのキー | 処置の種類 | 呼気流の有無 | エアロゾルリスク | |---|---|---| | 排痰・咳嗽訓練 | あり(強い) | 極高 | | 吸引処置 | あり(陰圧) | 高 | | 口腔ケア | あり(湿性物質扱い) | 中程度 | | 頭部挙上訓練 | なし(静かな体位変化) | 低 | | 食事摂取 | あり(可能性) | 低〜中 | 重要ポイント ・エアロゾル=飛沫核(5μm以下)で空気中に浮遊し遠距離伝播する ・咳嗽・排痰は「最も強い呼気流」を伴うため高リスク ・頭部挙上訓練は嚥下機能改善(嚥下反射促進・誤嚥防止)に効果的かつ感染予防にも優れる ・感染管理と訓練効果の両立が重要
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