第24回 言語聴覚士国家試験 第86問
嚥下障害第24回
栄養療法について正しいのはどれか。
a.腸が機能している場合は、経腸栄養を基本とする。
b.静脈栄養の施行期間が短期間の場合は、中心静脈栄養法が適応となる。
c.高カロリー輸液を行う場合は、末梢静脈栄養法の適応となる。
d.経口摂取のみで必要な栄養量を投与できない場合は、経管栄養を追加する。
e.消化管瘻の第一選択は胃瘻である。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a,d,e
栄養療法の基本原則は「腸を使えれば使う」ことにあります。腸機能が保持されていれば経腸栄養が有効で、経口摂取のみでは不足する場合に経管栄養を追加し、消化管瘻が必要な場合は胃瘻が第一選択となります。
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【各選択肢の解説】
a. 腸が機能している場合は、経腸栄養を基本とする。
✅ 正しい。腸管が機能していれば、静脈栄養よりも経腸栄養を優先します。これは腸粘膜免疫機能の維持、バクテリアルトランスロケーション防止、医療経済性の観点からも標準です。
b. 静脈栄養の施行期間が短期間の場合は、中心静脈栄養法が適応となる。
❌ 誤り。短期間(1~2週間未満)なら末梢静脈栄養が適応で、中心静脈栄養は長期間の施行を想定しています。中心静脈栄養は挿入時の合併症リスク(血気胸・感染)が高いため、短期では避けられます。
c. 高カロリー輸液を行う場合は、末梢静脈栄養法の適応となる。
❌ 誤り。高カロリー輸液(高浸透圧)は末梢静脈の血栓性静脈炎を起こすため、中心静脈栄養が適応です。末梢静脈栄養は低カロリー・低浸透圧の補液に限定されます。
d. 経口摂取のみで必要な栄養量を投与できない場合は、経管栄養を追加する。
✅ 正しい。経口摂取が部分的にしか行えない場合、経管栄養(経鼻胃管・胃瘻・十二指腸瘻など)を併用して必要栄養量を確保することが標準的な対応です。
e. 消化管瘻の第一選択は胃瘻である。
✅ 正しい。経管栄養が長期必要な場合、胃瘻が第一選択です。理由は挿入手技の簡便性、合併症が少ない(十二指腸瘻や空腸瘻よりも安全)、逆流のリスクが相対的に低いなどの利点があります。
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【試験対策ポイント】
栄養療法の選択フロー図
```
腸機能あり ────→ 経腸栄養(第一選択)
├─経口可能 ────→ 経口摂取のみ
└─経口困難 ────→ 経管栄養を追加
腸機能なし ──────→ 静脈栄養
├─短期間(~2週間) ────→ 末梢静脈栄養
└─長期間 or 高カロリー ────→ 中心静脈栄養
```
重要な否定知識
| 誤りやすい項目 | 正しい知識 |
|---|---|
| 高カロリー輸液=末梢 | 高カロリー=中心静脈栄養 |
| 短期間=中心静脈栄養 | 短期間=末梢静脈栄養 |
| 消化管瘻=十二指腸瘻 | 消化管瘻=胃瘻が第一選択 |
末梢vs中心静脈栄養の選択基準
| | 末梢静脈栄養 | 中心静脈栄養 |
|---|---|---|
| 施行期間 | 短期(~2週) | 長期 |
| 浸透圧 | 低い | 高い(高カロリー可) |
| カロリー | 低~中程度 | 高カロリー可