第24回 言語聴覚士国家試験 第9問
小児科学第24回
小児の心身症について誤っているのはどれか。
- 1.小児喘息は心理的ストレスによって発症することがある。
- 2.起立性調節障害は中学生以降の男子に多い。 ✓
- 3.過敏性腸症候群は下痢型、便秘型等がある。
- 4.神経性やせ症はやせ願望があり極端なダイエットで発症する。
- 5.チック症において心理的ストレスは発症要因の一つである。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 起立性調節障害は中学生以降の男子に多い
起立性調節障害(OD)は**思春期女性に圧倒的に多い疾患**です。特に中学生から高校生の女子に好発し、男子では比較的稀です。この選択肢は「男子に多い」という根拠のない説述であり、誤りです。
---
【各選択肢の解説】
1. 小児喘息は心理的ストレスによって発症することがある。
✅ 正しい。小児喘息は多因子疾患であり、心理的ストレスは発症・増悪要因の一つとなります。感情的な変化(不安、興奮、泣く)で発作が誘発されることは臨床的に周知されています。
2. 起立性調節障害は中学生以降の男子に多い。
❌ 誤り。起立性調節障害は**思春期女性(特に女子中高生)に圧倒的に多い**疾患です。女性が男性の3~4倍の頻度で発症します。「男子に多い」は完全な誤認識です。
3. 過敏性腸症候群は下痢型、便秘型等がある。
✅ 正しい。過敏性腸症候群(IBS)はRome診断基準で下痢型(IBS-D)、便秘型(IBS-C)、混合型(IBS-M)、分類不能型に分類されます。小児でも同じ分類が適用されます。
4. 神経性やせ症はやせ願望があり極端なダイエットで発症する。
✅ 正しい。神経性やせ症(摂食障害)の発症機序は「やせ願望→極端なダイエット→栄養不良→心理的悪循環」です。DSM-5でも「摂食量の著しい制限」と「体重増加への強い恐怖」が診断基準に含まれます。
5. チック症において心理的ストレスは発症要因の一つである。
✅ 正しい。チック症は神経生物学的基盤を有しますが、心理的ストレスは発症・悪化要因として認識されています。ストレス軽減により症状緩和することは臨床的に経験されます。
---
【試験対策ポイント】
起立性調節障害(OD)の重要知識:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| **好発年齢** | 思春期(特に12~16歳)|
| **性別比** | 女性:男性=3~4:1(圧倒的に女性) |
| **症状** | 朝起床困難、頭痛、動悸、疲労感 |
| **診断** | 立位時の血圧低下(収縮期で20以上)|
| **機序** | 自律神経調節異常 |
小児心身症の区別ポイント:
| 疾患 | 心理社会的因子の関与 | 好発性別・年齢 |
|---|---|---|
| 起立性調節障害 | あり | 思春期女性◎ |
| 小児喘息 | あり(増悪因子) | 男児に多い傾向 |
| 神経性やせ症 | あり(やせ願望) | 女児に多い |
| 過敏性腸症候群 | あり(ストレス感応) | 全年齢 |
| チック症 | あり(ストレス悪化) | 学童期(男児多) |
キーワード:「起立性調節障害は**女性**に好発」は頻出誤問題です。「中学生以降」は時期として正しいが、「男子」という記述が致命的誤りです。