第24回 言語聴覚士国家試験 第91問
聴力検査第24回
新生児聴覚スクリーニングでreferとなり、専門施設を受診した。保護者への説明として適切なのはどれか。
- 1.お子さんが難聴だと、お仕事を続けるのは難しいですね。
- 2.難聴と断定するのは不確実なので、まず精密検査をしましょう。 ✓
- 3.難聴だとしても補聴器や人工内耳があり、全く心配いりませんよ。
- 4.次回に家族全員の聴力を検査しましょう。
- 5.ついでに遺伝子検査もしましょう。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 難聴と断定するのは不確実なので、まず精密検査をしましょう。
新生児聴覚スクリーニング(NHS)で refer(要精密検査)となった段階では、難聴の有無が確定していません。referは「スクリーニング検査で音に反応がなかった」というだけであり、その後の精密検査を通じて初めて難聴の有無と程度が判定されます。保護者説明では、段階的な検査の必要性を冷静かつ正確に伝えることが原則です。
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【各選択肢の解説】
1. お子さんが難聴だと、お仕事を続けるのは難しいですね。
❌ 誤り。NHS referの段階で難聴を確定診断していません。また保護者の仕事に関する個人的な推測は医学的説明ではなく、不適切な心理的プレッシャーを与えます。
2. 難聴と断定するのは不確実なので、まず精密検査をしましょう。
✅ 正しい。NHS referは精密検査の指標であり、難聴の診断ではありません。正確な情報提供と段階的対応は、保護者の不安軽減と適切な医療につながります。
3. 難聴だとしても補聴器や人工内耳があり、全く心配いりませんよ。
❌ 誤り。診断確定前の過度な楽観的説明は不適切です。また「全く心配いりません」という表現は、難聴児の療育・発達支援の複雑性を軽視しており、保護者の現実的な準備機会を奪います。
4. 次回に家族全員の聴力を検査しましょう。
❌ 誤り。先天性難聴の遺伝的背景を疑う場合もありますが、乳幼児本人の診断確定が先決です。無根拠に家族検査を勧めるのは医学的根拠に欠けます。
5. ついでに遺伝子検査もしましょう。
❌ 誤り。遺伝子検査は難聴確定後の段階的評価の選択肢であり、referの段階では適切ではありません。また「ついでに」という軽率な表現は医学的専門性を損ないます。
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【試験対策ポイント】
新生児聴覚スクリーニングの流れ
| 段階 | 内容 | 対応 |
|---|---|---|
| NHS実施 | OAE/ABRで反応確認 | pass/refer判定 |
| refer(要精密検査) | スクリーニング陽性 | 後日精密検査に紹介 |
| 精密検査(生後1~3ヶ月) | ABR/ティンパノメトリー/行動聴力検査 | 難聴診断の確定 |
| 診断確定後 | 補聴器装用、療育開始など | 発達支援計画立案 |
保護者説明の原則
- 「refer=難聴確定」ではなく「精密検査が必要な状態」と正確に伝える
- 心理的サポートと冷静な医学情報を両立させる
- 無根拠な楽観的表現や過度な悲観的表現は避ける
- 診断確定後に初めて治療選択肢(補聴器・人工内耳など)の詳細説明を行う
重要否定知識
- refer=難聴診断ではない
- 診断確定前に治療を約束できない
- 保護者の生活選択(仕事継続など)についての医学的判断は不適切
- スクリーニング段階では遺伝学的評価は準備段階