第24回 言語聴覚士国家試験 第95問
成人聴覚障害第24回
高齢中途失聴者の初期指導で優先順位が低いのはどれか。
- 1.家族指導
- 2.補聴器装用
- 3.指文字の指導 ✓
- 4.筆談ボードの活用
- 5.コミュニケーション方略の指導
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 指文字の指導
高齢中途失聴者の初期指導は、まず「すぐに実行可能で効果的なコミュニケーション方法」を優先します。指文字は習得に時間がかかり、失聴年数が長い高齢者にとっては学習負荷が大きいため、初期段階では優先順位が低い方法です。一方、補聴器や筆談、コミュニケーション方略は即座に活用できるため、初期指導の中心になります。
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【各選択肢の解説】
1. 家族指導
✅ 正しい。高齢中途失聴者は心理的不安が強いため、家族の理解と支援が極めて重要です。適切な声の大きさ、向き合っての会話、背景雑音を避けるなどの家族教育は、初期段階で最優先される内容です。
2. 補聴器装用
✅ 正しい。補聴器は最も効果的な音声情報へのアクセス手段であり、初期指導の中核です。聴力レベルや生活環境に合わせた選択が早期に必要です。
3. 指文字の指導
❌ 誤り(優先順位が低い)。指文字は習得に長期間を要し、体系的な学習が必要です。高齢者の認知機能や動機づけの低下を考慮すると、初期段階では学習効率が悪く、優先度が低いです。むしろ、中期以降の支援体系の一部として位置づけられます。
4. 筆談ボードの活用
✅ 正しい。筆談は即座に導入でき、学習負荷が極めて低い方法です。家庭でも社会でもすぐに活用可能なため、初期指導の優先順位は高いです。
5. コミュニケーション方略の指導
✅ 正しい。口話理解の工夫(読唇、聞き返し要求、文脈活用など)は、環境調整と組み合わせて初期段階で指導すべき重要な内容です。新たな技能習得ではなく、既存能力の活用なので、即効性があります。
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【試験対策ポイント】
高齢中途失聴者の初期指導の優先順位(時系列)
| 段階 | 指導内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 初期(1~3ヶ月) | 家族指導、補聴器装用、筆談、方略 | 即座に実施可能、心理的安定性向上 |
| 中期(3~6ヶ月) | 聴覚リハビリテーション強化、手話入門 | 適応状況を踏まえた段階的学習 |
| 後期(6ヶ月以降) | 指文字、手話体系的習得、社会参加支援 | 十分な心理的準備と学習意欲の確保 |
キーワード:「初期段階では学習負荷が小さく、即座に効果のある方法を優先」
指文字が優先順位が低い理由
- 習得期間が長い(数ヶ月~1年単位)
- 高齢者の新規習得能力の低下
- 相手方も習得が必要(双方向学習)
- 初期段階では心理的余裕がない
- 代替手段(筆談・補聴器)で対応可能