第24回 言語聴覚士国家試験 第96問
補聴器・人工内耳第24回
補聴器について誤っているのはどれか。
- 1.線形増幅では音響利得が一定である。
- 2.レシーバーは増幅された電気信号を音に変換する。
- 3.音質調整は周波数間の利得バランスを調整する。
- 4.主利得調整(メインボリューム)は増幅度を調整する。
- 5.小型耳かけ型補聴器(RIC)はハウリングしやすい。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 小型耳かけ型補聴器(RIC)はハウリングしやすい。
RIC(Receiver In Canal)型補聴器は、レシーバーが耳道内に配置されるため、マイクロホンとレシーバーの距離が大きく離れています。これにより音の逆流経路が長くなるため、むしろハウリングが起こりにくい設計です。一般的には、マイクロホンとレシーバーが近い補聴器ほど、また耳穴塞ぎが不完全なほどハウリングが生じやすくなります。
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【各選択肢の解説】
1. 線形増幅では音響利得が一定である。
✅ 正しい。線形増幅(リニアアンプ)は入力音圧レベルに関わらず、一定量の利得を加える増幅方式です。これに対し、非線形増幅(圧縮増幅)は音圧レベルに応じて利得が変化します。
2. レシーバーは増幅された電気信号を音に変換する。
✅ 正しい。補聴器の内部構造では、マイクロホンが音を電気信号に変換し、増幅器で増幅された後、レシーバー(スピーカー)が再び音に変換して耳道に出力します。
3. 音質調整は周波数間の利得バランスを調整する。
✅ 正しい。音質調整(トーンコントロール)では、周波数帯域ごと(低音域・中音域・高音域など)の利得を個別に調整し、ユーザーの聴覚特性や好みに合わせた周波数バランスを形成します。
4. 主利得調整(メインボリューム)は増幅度を調整する。
✅ 正しい。メインボリューム(マスターボリューム)は、補聴器全体の増幅量(ゲイン)を調整する基本的なコントロールで、装用者が手動で出力音圧レベルを変更する場合に使用されます。
5. 小型耳かけ型補聴器(RIC)はハウリングしやすい。
❌ 誤り。RIC型は耳かけ部(マイク)と耳道内のレシーバーが物理的に離れているため、音の逆流経路が長く、むしろハウリングが起こりにくい構造です。マイクとレシーバーが近い補聴器ほど、または耳道密閉度が低いほどハウリングが発生しやすくなります。
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【試験対策ポイント】
補聴器の基本構成と機能整理
| 構成要素 | 機能 | 重要知識 |
|---|---|---|
| マイクロホン | 音を電気信号に変換 | 複数搭載で指向性を付与 |
| 増幅器 | 電気信号を大きくする | 線形 or 圧縮増幅 |
| レシーバー | 電気信号を音に変換 | スピーカーと同義 |
| バッテリー | 電力供給 | 酸化銀電池が一般的 |
補聴器のタイプ別特徴
| タイプ | 位置 | ハウリング傾向 | 利点 |
|---|---|---|---|
| 耳穴型(ITE) | 耳甲介腔〜外耳道 | 中程度 | 装用感良好・小型 |
| 耳かけ型(BTE) | 耳介後部 | やや多い | 出力大・操作性良好 |
| RIC型 | マイク=耳かけ部、レシーバー=耳道内 | 少ない | 小型・ハウリング耐性 |
| 箱型(ボディ型) | 胸部など体に装着 | 少ない | 最大出力が大 |
ハウリング対策