第25回 言語聴覚士国家試験 第103問
生理学第25回
体性運動神経について誤っているのはどれか
- 1.膜電位が閾値に達すると活動電位が発生する
- 2.シュワン細胞が軸索の髄鞘を形成する
- 3.太い神経ほど伝導速度は遅い ✓
- 4.軸索末端のシナプス小胞からアセチルコリンが分泌される
- 5.ランヴィエ絞輪は跳躍伝導の役割を担う
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 太い神経ほど伝導速度は遅い
体性運動神経(運動ニューロン)では、軸索が太いほど伝導速度は「速い」です。太い軸索ほど軸索抵抗が小さく、膜間電流が効率的に流れるため、活動電位の伝播が迅速になります。選択肢3は「太い神経ほど伝導速度は遅い」と述べており、因果関係が完全に逆であるため誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 膜電位が閾値に達すると活動電位が発生する
✅ 正しい。神経細胞の静止膜電位は約-70mVですが、膜電位が閾値(約-55mV)に達するとNa+チャネルが開き、急速な脱分極が生じて活動電位が発生します。
2. シュワン細胞が軸索の髄鞘を形成する
✅ 正しい。末梢神経系ではシュワン細胞が1本の軸索を螺旋状に巻きつけ、髄鞘を形成します。中枢神経系ではオリゴデンドロサイトが複数の軸索を髄鞘化します。
3. 太い神経ほど伝導速度は遅い
❌ 誤り。軸索の太さと伝導速度は正の相関関係にあります。太い軸索ほど軸索抵抗(Ra)が小さくなり、隣接部への電流注入が増加し、伝導速度は「速く」なります。Hodgkinの式:伝導速度 ∝ √(軸索直径)。
4. 軸索末端のシナプス小胞からアセチルコリンが分泌される
✅ 正しい。運動終板では軸索末端のシナプス小胞からアセチルコリン(ACh)が放出され、骨格筋のニコチン受容体に結合して筋収縮を引き起こします。
5. ランヴィエ絞輪は跳躍伝導の役割を担う
✅ 正しい。髄鞘で被覆されていないランヴィエ絞輪部では、イオン交換が可能です。活動電位は絞輪から絞輪へと跳躍的に伝播(跳躍伝導)することで、伝導速度が加速されます。
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【試験対策ポイント】
伝導速度に影響する因子(覚え方:「太い・速い・髄」):
| 因子 | 影響度 | 例 |
|---|---|---|
| 軸索直径 | 最大影響 | Aα線維:80-120m/s、C線維:0.5-2m/s |
| 髄鞘の有無 | 大きい | 髄鞘有→跳躍伝導で高速化 |
| 温度 | 中程度 | 10℃低下で約50%減速 |
| イオン濃度 | 小程度 | Na+/K+バランスが正常状態で最速 |
キーワード整理:
- 体性運動神経=α運動ニューロン=Aα線維:最太(直径12-20μm)→最速(80-120m/s)
- 逆に自律神経のB線維(直径1-3μm)やC線維(直径0.5-1μm)は遅い
- 「太さ」と「速度」の関係を常に対比させる
頻出誤答パターン:
- 「太い=遅い」という直感的誤解に引っかかりやすい
- 実際には電気抵抗の原理(太い導線ほど抵抗小)と同じ