第25回 言語聴覚士国家試験 第108問
臨床神経学第25回
認知症を呈する疾患のうち感染性のものはどれか
- 1.アルツハイマー病
- 2.レビー小体型認知症
- 3.ハンチントン病
- 4.クロイツフェルト・ヤコブ病 ✓
- 5.多発性硬化症
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — クロイツフェルト・ヤコブ病
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)はプリオン蛋白(感染性蛋白)の異常によって引き起こされる神経変性疾患であり、認知症を呈する疾患の中で唯一感染性を有しています。プリオン病は亜急性に進行性認知症、ミオクローヌス、失行、錐体路徴候などを呈し、脳波で特徴的な変化が見られます。
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【各選択肢の解説】
1. アルツハイマー病
❌ 誤り。神経変性疾患で、アミロイドβと異常リン酸化タウ蛋白の蓄積が原因です。感染性ではなく、散発性(または遺伝性)です。
2. レビー小体型認知症
❌ 誤り。α-シヌクレイン蛋白の異常沈着が原因の神経変性疾患です。感染性ではありません。
3. ハンチントン病
❌ 誤り。CAGリピート伸長による常染色体優性遺伝疾患です。感染性ではなく、純粋に遺伝性です。
4. クロイツフェルト・ヤコブ病
✅ 正しい。プリオン蛋白の異常が原因で、プリオンは感染性蛋白です。散発性、家族性、医原性、変異型CJDの4種類があります。亜急性に進行する認知症を特徴とします。
5. 多発性硬化症
❌ 誤り。中枢神経の自己免疫疾患で、認知症はむしろ認知機能低下として軽微です。感染性ではありません。
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【試験対策ポイント】
認知症を呈する主要疾患の分類
| 疾患 | 原因 | 感染性 | 進行速度 |
|---|---|---|---|
| アルツハイマー病 | アミロイドβ・タウ蛋白 | × | 緩徐 |
| レビー小体型認知症 | α-シヌクレイン | × | 中等度 |
| 前頭側頭型認知症 | TDP-43・Tau | × | 緩徐~中等度 |
| クロイツフェルト・ヤコブ病 | プリオン蛋白 | ○ | 亜急性 |
| ハンチントン病 | CAGリピート伸長 | × | 緩徐 |
| パーキンソン病 | α-シヌクレイン | × | 緩徐 |
プリオン病の重要特徴
- 世界的に最も稀な認知症(年間100万人に1~2人)
- 平均発症年齢65歳、平均生存期間1年以内(非常に亜急性)
- 脳波:特異的な2Hz以上の周期的棘波(PSWs)が特徴
- MRI:脳梗塞様高信号、基底核・皮質高信号(DWI/FLAIR)
- 髄液14-3-3蛋白、RT-QuIC検査で補助診断
CJD感染源の種類(重要)
- 散発性(90%):原因不明
- 家族性(10%):遺伝性、PrP遺伝子ミスセンス変異
- 医原性:汚染器具、脳下垂体ホルモン由来
- 変異型:プリオン病を持つ牛の肉(BSE関連)