第25回 言語聴覚士国家試験 第113問
臨床神経学第25回
糖尿病性ニューロパチーで誤っているのはどれか
- 1.腱反射が亢進する ✓
- 2.自覚的異常感覚が強い
- 3.進行すると筋力低下も生じる
- 4.手袋・靴下型の感覚障害がみられる
- 5.感覚障害は上肢より下肢の症状が強い
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 腱反射が亢進する
糖尿病性ニューロパチーは末梢神経(特に長い神経軸索から障害される)の変性疾患であり、腱反射は**減弱・消失**します。腱反射の亢進は中枢神経系の病変(特に錐体路障害)で生じるため、末梢神経障害である糖尿病性ニューロパチーでは起こりません。
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【各選択肢の解説】
1. 腱反射が亢進する
❌ 誤り。糖尿病性ニューロパチーは末梢神経の変性により、腱反射は**減弱~消失**します。亢進は中枢神経系の病変(脳卒中など錐体路障害)で見られる所見であり、末梢神経障害では起こりません。
2. 自覚的異常感覚が強い
✅ 正しい。糖尿病性ニューロパチーの特徴の一つです。患者は「足がジンジンする」「ピリピリする」「熱感」など、自覚的な異常感覚(正常な外的刺激に対する過敏反応や異常知覚)を強く訴えます。
3. 進行すると筋力低下も生じる
✅ 正しい。初期段階では感覚障害が主体ですが、進行すると運動神経も障害され、足の筋力低下・萎縮が生じます。特に下肢の足趾伸筋や足首周囲の筋が低下しやすいです。
4. 手袋・靴下型の感覚障害がみられる
✅ 正しい。糖尿病性ニューロパチーの典型的な所見です。長い神経軸索から障害が進行する「長径軸索障害」であるため、手足の末梢から中枢方向に感覚障害が広がり、手袋・靴下型の分布を示します。
5. 感覚障害は上肢より下肢の症状が強い
✅ 正しい。下肢の方が上肢より神経軸索が長いため、長径軸索障害は下肢の方が先に・より強く症状が出現します。足から始まり、進行すると膝上へ、さらに上肢へと拡大していきます。
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【試験対策ポイント】
末梢神経障害vs中枢神経障害の腱反射の違い:
| 病変部位 | 腱反射 | 理由 |
|---|---|---|
| **末梢神経障害**(糖尿病性ニューロパチー) | 減弱~消失 | 遠心路・求心路の感覚神経が障害される |
| **中枢神経障害**(脳卒中、脊髄損傷) | 亢進 | 脊髄の反射弓は温存+脳からの抑制喪失 |
糖尿病性ニューロパチーの重要な特徴:
- 長径軸索障害:足から開始→手へ進行
- 手袋・靴下型分布:典型的
- 初期:感覚障害+異常感覚(強い自覚症状)
- 進行:筋力低下・筋萎縮が加わる
- 腱反射:各段階で減弱~消失(決して亢進しない)
- 下肢優位:上肢より強い症状
頻出の誤り:反射亢進は中枢神経病変の特徴であることを混同しないこと。