第25回 言語聴覚士国家試験 第115問
形成外科学第25回
正しいのはどれか
a.肥厚性瘢痕は、時間の経過で色調は薄れ、やがて平坦化する
b.ケロイドの発生率は人種間で差がない
c.ケロイドは最初の範囲を超えて広がることはない
d.耳介はケロイドの好発部位である
e.瘢痕拘縮は、Z形成術などの局所皮弁や植皮で治療される
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a,d,e
肥厚性瘢痕は自然経過で改善し、ケロイドは原損傷範囲を超えて拡大する対照的な特性があります。耳介は前胸部とともにケロイドの好発部位であり、瘢痕拘縮はZ形成術などの整形手術で機能・美容面の改善が期待できます。
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【各選択肢の解説】
a. 肥厚性瘢痕は、時間の経過で色調は薄れ、やがて平坦化する
✅ 正しい。肥厚性瘢痕は数ヶ月〜数年で自然退縮する傾向があり、色調が淡くなり、隆起が低下して平坦化していきます。これはケロイドとの最大の相違点です。
b. ケロイドの発生率は人種間で差がない
❌ 誤り。ケロイドはアフリカ系やアジア系など色素沈着の多い人種で発生率が高いとされています。白人では比較的少なく、明らかな人種間差があります。
c. ケロイドは最初の範囲を超えて広がることはない
❌ 誤り。ケロイドの定義的特性として、原損傷範囲を超えて周囲の正常皮膚に向かって拡大していきます。この無限増殖性が肥厚性瘢痕との最大の鑑別点です。
d. 耳介はケロイドの好発部位である
✅ 正しい。ケロイドの好発部位は、前胸部・肩部・耳介・上背部など、張力がかかりやすい部位です。耳介は耳ピアスなど医原性損傷後のケロイド形成が頻繁に報告されています。
e. 瘢痕拘縮は、Z形成術などの局所皮弁や植皮で治療される
✅ 正しい。瘢痕拘縮(瘢痕による組織の収縮で関節運動が制限される状態)はZ形成術・W形成術などの局所皮弁や植皮によって治療され、機能障害と美容的障害の改善が期待できます。
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【試験対策ポイント】
| 比較項目 | 肥厚性瘢痕 | ケロイド |
|---|---|---|
| 自然経過 | 自然退縮する | 増殖が止まらない |
| 原損傷範囲 | 超えない | 超える(無限増殖) |
| 色調変化 | 淡くなる | 赤紫色が続く |
| 人種差 | 少ない | 大きい(黒人・アジア系で多い) |
| 発症時期 | 損傷後数週〜数ヶ月 | 損傷後数ヶ月〜数年 |
ケロイド好発部位:前胸部・肩部・耳介・上背部(張力部位)
瘢痕拘縮治療法:Z形成術・W形成術・Yプラスティなどの局所皮弁、分層植皮(自家遊離皮弁)
否定知識:「ケロイドは人種差がない」「ケロイドは範囲を超えない」は頻出の誤選択肢