STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第123問

臨床神経学第25回
ハンチントン病の不随意運動はどれか
  1. 1.舞踏病 ✓
  2. 2.姿勢時振戦
  3. 3.アテトーゼ
  4. 4.ジストニア
  5. 5.チック

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 舞踏病 ハンチントン病の典型的な不随意運動は舞踏病(chorea)です。これは線条体(特に被殻)の神経変性による不随意運動で、不規則で捻転的、一見ダンスをしているような動きが特徴です。舞踏病は本疾患の「病名そのもの」に含まれており、最も重要な臨床症状です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 舞踏病 ✅ 正しい。ハンチントン病の最典型的な症状であり、線条体の変性に伴う不随意運動です。不規則で捻転的な動きを示し、早期から認められます。 2. 姿勢時振戦 ❌ 誤り。姿勢時振戦(postural tremor)は錐体外路疾患全般に見られることもありますが、ハンチントン病の特異的・典型的な症状ではありません。むしろ本態性振戦やパーキンソン病の特徴です。 3. アテトーゼ ❌ 誤り。アテトーゼ(athetosis)は脳性麻痺や被殻病変で認められる、ゆっくりした蛇行様運動です。ハンチントン病の舞踏病とは異なり、より緩徐で規則的なパターンを示します。 4. ジストニア ❌ 誤り。ジストニア(dystonia)は筋緊張異常による持続的な異常姿勢です。ハンチントン病の若年発症型(Westphal型)では見られることもありますが、典型的な症状ではなく、舞踏病が主体です。 5. チック ❌ 誤り。チック(tic)は一連の筋肉の急速で繰り返される非律動的収縮です。トゥレット症候群などで見られ、ハンチントン病の特異的症状ではありません。舞踏病とは異なり、より限定的で習慣性があります。 --- 【試験対策ポイント】 錐体外路疾患の不随意運動の鑑別 | 疾患 | 特異的不随意運動 | 発症様式 | 神経基盤 | |---|---|---|---| | ハンチントン病 | 舞踏病(chorea) | 30~40代の中年発症 | 線条体(被殻)変性 | | パーキンソン病 | 静止時振戦 | 60代以降 | 黒質 | | 脳性麻痺 | アテトーゼ | 出生時周産期障害 | 被殻障害 | | ジストニア専門疾患 | ジストニア | 様々 | 大脳基底核 | | トゥレット症候群 | チック | 小児期 | 前頭葉-線条体 | ハンチントン病の主要臨床症状3つ ・舞踏病(不随意運動の中核) ⇒ 「ハンチントン」という名そのものに含まれる ・認知機能低下(認知症) ⇒ 進行性 ・精神症状(うつ病・人格変化) ⇒ 先行することも 紛らわしい理由 本肢は「どの不随意運動が該当するか」を問う問題です。ハンチントン病患者は一見すると「ぐにゃぐにゃした動き」をしているため、単語だけ見て「アテトーゼ?」と誤選する受験生が多くいます。しかし、舞踏病は「一見ダンスのような軽快で不規則な動き」であり、アテトーゼの「蛇行様でゆっくりした動き」とは区別が重要です。
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