第25回 言語聴覚士国家試験 第139問
音響学第25回
声帯振動について誤っているのはどれか
- 1.声帯の下唇から開き始める
- 2.声門体積速度波形は滑らかに立ち上がる
- 3.声帯は上唇から閉じ始める ✓
- 4.声門体積速度波形は声門の閉鎖に伴って急激に0になる
- 5.声門が閉じる時間が短くなると声門開放率は増加する
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 声帯は上唇から閉じ始める
声帯は下唇から閉じ始め、上唇は最後に接触するのが正確です。「上唇から閉じ始める」というのは時間軸の逆で、実際の振動メカニズム(下から上への波動的な閉鎖)に矛盾しています。
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【各選択肢の解説】
1. 声帯の下唇から開き始める
✅ 正しい。声帯振動は下唇から先に開き始め、その後上唇が開く。この波動的な動きにより効率的に気流が生成されます。
2. 声門体積速度波形は滑らかに立ち上がる
✅ 正しい。声門が開き始めるとき、流速は最初はゆっくり増加し、その後加速します。グラフは滑らかな立ち上がりを示します。
3. 声帯は上唇から閉じ始める
❌ 誤り。声帯は下唇から閉じ始め、最終的に上唇が接触して完全に閉鎖します。上唇から閉じるという説明は、声帯振動の時間的流れに矛盾します。
4. 声門体積速度波形は声門の閉鎖に伴って急激に0になる
✅ 正しい。声帯が完全に接触するとき、気流は瞬時に遮断されるため、流速波形は急激に0に低下します。これが音声の基本周波数成分を決定します。
5. 声門が閉じる時間が短くなると声門開放率は増加する
✅ 正しい。閉鎖時間(closed phase)が短くなれば、相対的に開放時間(open phase)の割合が増加します。音声品質(特に無声性)に影響します。
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【試験対策ポイント】
声帯振動の時系列(重要)
| 段階 | 動き | 流速波形の特徴 |
|---|---|---|
| 開放開始 | 下唇→上唇(波動的) | 滑らかに上昇 |
| 開放最大期 | 声門完全開放 | ピーク |
| 閉鎖開始 | 下唇→上唇(波動的) | ゆるやかに低下 |
| 閉鎖完了 | 声帯接触 | 急激に0へ |
声門開放率の定義
- 開放時間 ÷ 一周期の時間
- 「声門が閉じる時間短縮」→相対的に開いている時間が長くなる→開放率up
紛らわしい点
- 「上唇から閉じ始める」は完全に逆です(開く時は下から、閉じるのも下から)
- 音声学では「波動的」な動きが本質(上下の独立した運動ではない)