第25回 言語聴覚士国家試験 第145問
言語発達学第25回
前言語期の認知発達でないのはどれか
- 1.事物の機能的操作ができる
- 2.物の永続性がわかる
- 3.因果関係がわかる
- 4.リーチングをする
- 5.見立て遊びをする ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 見立て遊び(象徴遊び)をする
見立て遊びは象徴機能(シンボル機能)の発達に基づく遊びであり、前言語期ではなく言語期(おおむね1歳半以降)の認知発達を示す行動です。前言語期(0~1歳前後)は具体的・感覚運動的な発達段階であり、象徴操作はまだ獲得されていません。
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【各選択肢の解説】
1. 事物の機能的操作ができる
✅ 正しい。前言語期の後期(6~12ヶ月)には、事物の使用方法を学習し、スプーンをすくう動作やコップで飲むなど、物の機能に基づいた操作が可能になります。これは感覚運動段階の重要な発達です。
2. 物の永続性がわかる
✅ 正しい。物の永続性(object permanence)はピアジェの感覚運動段階の重要な獲得であり、前言語期(6~12ヶ月)に発達します。隠された物を探す行動(手がかり遊び)で確認できます。
3. 因果関係がわかる
✅ 正しい。前言語期の後期(8~12ヶ月)には、自分の行為と結果の関係を理解する初期的な因果関係の認識が発達します。たとえば、物を落とすと音がなることを繰り返す行動で示されます。
4. リーチングをする
✅ 正しい。リーチング(到達運動)は4~6ヶ月から見られる前言語期の基本的な運動発達です。視覚的に対象を認識し、随意的に手を伸ばして掴む行動であり、感覚運動統合の発達を示します。
5. 見立て遊びをする
❌ 誤り。見立て遊びは象徴遊び(pretend play)であり、象徴機能の発達が必要です。これは言語期の開始とともに現れ、おおむね1歳半以降に発達します。前言語期の発達段階では象徴操作はまだ獲得されていません。
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【試験対策ポイント】
| 段階 | 時期 | 認知発達の特徴 | 代表的な行動 |
|---|---|---|---|
| **前言語期** | 0~1歳前後 | 感覚運動段階。具体的・知覚的 | リーチング、物の永続性、因果関係、機能的操作 |
| **言語期** | 1~2歳以降 | 象徴機能の発達開始。表象的思考 | 見立て遊び、ごっこ遊び、初語・語彙拡大 |
キーワード:「象徴機能=言語期」「感覚運動=前言語期」
- 見立て遊び、ごっこ遊び、模倣遊び→言語期(言語と同時進行で発達)
- リーチング、物の永続性、因果関係→前言語期(ピアジェ感覚運動段階)
紛らわしい点:「物の操作」と「見立て遊び」の区別
- 物の操作(スプーンをすくう)=物の実際の機能を理解した具体的行動→前言語期
- 見立て遊び(スプーンで食べさせる真似)=象徴機能を使った想像遊び→言語期