STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第146問

言語発達学第25回
読解を支える要素でないのはどれか
  1. 1.語彙知識
  2. 2.文法知識
  3. 3.推理能力
  4. 4.エンコーディング ✓
  5. 5.ワーキングメモリー

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — エンコーディング 読解を支える要素は「語彙・文法・推理・ワーキングメモリー」の4つが中核であり、エンコーディング(音韻符号化)は読解の準備段階のプロセスであって、読解そのものを直接支える認知要素ではありません。読解は意味理解を目的とするため、音韻変換後の意味処理が重要であり、エンコーディング自体は読解の必要条件ではなく、むしろ読まない場面(例:黙読)では機能しません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 語彙知識 ✅ 正しい。単語の意味を理解していなければ、文章全体の意味把握は不可能です。語彙知識は読解の最も基本的な要素です。 2. 文法知識 ✅ 正しい。文の構造を理解し、単語間の関係性を把握するために不可欠です。文法知識がなければ文の構造的意味が理解できません。 3. 推理能力 ✅ 正しい。文章に明示されていない情報を推測したり、因果関係や登場人物の意図を理解したりするために必要です。読解の深化に直結します。 4. エンコーディング ❌ 誤り。エンコーディングは「文字を音韻に変換する」プロセスであり、特に音読時に機能します。しかし黙読では音韻変換をスキップでき、むしろ直接意味にアクセスします。読解に必須ではなく、読解前の準備段階のプロセスです。 5. ワーキングメモリー ✅ 正しい。文を読み進める際に、前文の情報を一時保持し、現在読んでいる部分と統合する必要があります。ワーキングメモリー容量の低下は読解成績の低下に直結します。 --- 【試験対策ポイント】 読解モデル(Simple View of Reading)の枠組み: | 要素 | 役割 | 読解に必須か | |---|---|---| | デコーディング能力 | 文字→音韻変換 | △相対的(黙読で迂回可能) | | 言語理解能力 | 語彙・文法・推理 | ◎必須 | | ワーキングメモリー | 情報の一時保持・統合 | ◎必須 | | エンコーディング | 音韻符号化 | ✗不要(音読時のみ) | キーワード: • 黙読では音韻変換をスキップできる → エンコーディングは必須ではない • 推理能力 = 背景知識・文脈処理 → 読解深化の要素 • ワーキングメモリー容量 ↓ = 読解速度・理解度 ↓(強相関) • 「エンコーディング」と「デコーディング」を混同しない(デコーディングが文字認識で重要)
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