第25回 言語聴覚士国家試験 第15問
臨床神経学第25回
パーキンソン病でみられない症状はどれか
- 1.嗅覚障害
- 2.前傾姿勢
- 3.すくみ足
- 4.仮面用顔貌
- 5.腱反射の亢進 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 腱反射の亢進
パーキンソン病は中脳黒質線条体系のドーパミン神経細胞が脱落する疾患であり、錐体外路系の障害です。錐体外路系の障害では腱反射は正常または低下することがありますが、亢進することはありません。腱反射の亢進は錐体路障害(脳卒中や脊髄損傷など)で見られます。
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【各選択肢の解説】
1. 嗅覚障害
✅ 正しい。パーキンソン病では嗅覚障害が初期症状の一つとして認められます。嗅球のシナプトソーム領域におけるドーパミン欠乏が原因とされており、診断の補助的な指標となることもあります。
2. 前傾姿勢
✅ 正しい。パーキンソン病の典型的な姿勢異常です。首・体幹が前方に傾く姿勢を示し、バランス能力の低下につながります。これはドーパミン欠乏による姿勢制御の障害が原因です。
3. すくみ足(歩行凍結)
✅ 正しい。パーキンソン病で著明に見られる運動症状です。足が床に吸いつくような感覚で一時的に歩行が停止する現象で、特に狭い場所や回転時に生じやすく、転倒の危険性が高まります。
4. 仮面用顔貌(無動仮面様顔貌)
✅ 正しい。パーキンソン病の特徴的な顔貌で、表情筋の無動により表情が乏しく、能面のような顔つきになります。ドーパミン欠乏による下位運動ニューロン領域の運動障害が原因です。
5. 腱反射の亢進
❌ 誤り。パーキンソン病は錐体外路系の疾患であり、腱反射は亢進しません。むしろ正常または軽度低下することもあります。腱反射亢進は脳卒中・脊髄損傷など錐体路障害の特徴です。
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【試験対策ポイント】
パーキンソン病の4大症状:静止時振戦・筋硬直・無動・姿勢反射障害
| 症状 | パーキンソン病で見られるか |
|---|---|
| 嗅覚障害 | ✅ あり(初期症状) |
| 前傾姿勢 | ✅ あり(典型的) |
| すくみ足 | ✅ あり(転倒リスク高) |
| 仮面用顔貌 | ✅ あり(無動による) |
| 腱反射亢進 | ❌ なし(亢進は錐体路障害の証拠) |
錐体外路系 vs 錐体路の区別:
- 錐体外路障害:腱反射は正常もしくは低下
- 錐体路障害:腱反射は亢進・病的反射陽性