STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第153問

言語聴覚障害総論第25回
ルリアの神経心理学的理論に基づく検査はどれか
  1. 1.PEP-3
  2. 2.WISC-IV
  3. 3.KABC-II ✓
  4. 4.PARS-TR
  5. 5.DENVERII

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — KABC-II KABC-IIはルリア(Luria)の神経心理学的理論に基づき、認知過程を継次処理と同時処理の2つの処理様式で評価する検査です。ルリアの理論は「脳の3つのブロック機能」(覚醒・情報入力、情報処理、計画・実行)に基づいており、KABC-IIはこの理論的枠組みを現代的に継承した認知アセスメントとして位置づけられています。 --- 【各選択肢の解説】 1. PEP-3 ❌ 誤り。PEP-3(自閉症児教育的評価法)は自閉症スペクトラム児の機能と障害の評価に特化した検査で、ルリアの神経心理学的理論には基づいていません。 2. WISC-IV ❌ 誤り。WISC-IVはウェクスラー知能検査の児童版で、「言語理解・知覚推理・処理速度・ワーキングメモリ」の4因子モデルを採用しており、ルリアの理論ではなくキャッテル-ホーン-キャロルの能力モデルに基づいています。 3. KABC-II ✅ 正しい。KABC-II(カウフマン式認知評価検査)はルリアの継次処理と同時処理という枠組みを中核理論とし、さらに習得度評価も加えた検査です。ルリア理論に明示的に基づいた臨床的認知検査として国内外で広く使用されています。 4. PARS-TR ❌ 誤り。PARS-TR(PDD幼児通園施設適応行動診断検査)は発達障害児の適応行動と社会的適応を評価する検査で、ルリアの神経心理学理論には基づいていません。 5. DENVERII ❌ 誤り。DENVER II(デンバー発達スクリーニング検査)は乳幼児の発達領域(社会性・言語・運動など)を広くスクリーニングする検査で、ルリアの理論ではなく一般的な発達領域モデルに基づいています。 --- 【試験対策ポイント】 検査と理論的基礎の対応(頻出) | 検査名 | 理論的基礎 | 主な評価内容 | |---|---|---| | KABC-II | ルリア神経心理学理論 | 継次処理・同時処理・習得度 | | WISC-IV | キャッテル-ホーン-キャロル | 言語理解・知覚推理・処理速度・WM | | WPPSI-III | キャッテル-ホーン-キャロル | 言語・動作IQ(3歳~7歳) | | Bayley-III | 発達領域モデル | 認知・言語・運動・社会情動 | | DENVER II | 一般発達領域 | 個人社会・細動作・言語・粗動作 | ルリア神経心理学理論の3要素 - 脳の第1ブロック:覚醒・注意 - 脳の第2ブロック:感覚情報入力・統合(継次処理・同時処理) - 脳の第3ブロック:計画・実行・制御 KABC-IIが「ルリア理論」で設計された唯一の選択肢であることを確実に覚える。他検査はそれぞれ異なる理論的背景を持つため、出題の際は理論名が明示されやすい。
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