第25回 言語聴覚士国家試験 第154問
失語症第25回
失語症と軽度の意識障害とのどちらにもみられやすいのはどれか
a.計算障害
b.書字障害
c.音韻性錯語
d.幻視
e.記憶障害
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
失語症と軽度の意識障害は異なる病態ですが、両者に共通して出現しやすい症状は「計算障害」と「書字障害」です。計算障害は高次脳機能障害として失語症でも見られ、意識障害でも注意・集中力低下により生じます。書字障害は失語症の言語機能障害としても、意識障害による運動制御や注意障害としても現れやすい症状です。
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【各選択肢の解説】
a. 計算障害
✅ 正しい。失語症では失算(セム失算)として言語機能障害に基づく計算困難が生じます。軽度意識障害では注意・集中力低下により計算能力が低下します。両病態で見られやすい。
b. 書字障害
✅ 正しい。失語症では失書として言語表出の障害として現れます。軽度意識障害では覚醒度低下に伴う運動制御不全や注意障害により、正確な筆記が困難になります。両者で比較的高頻度。
c. 音韻性錯語
❌ 誤り。音韻性錯語は失語症(特にBroca失語や伝導失語)に特異的な症状です。軽度意識障害では言語体系そのものの障害ではなく、注意・覚醒の問題であるため音韻性錯語は現れにくい。
d. 幻視
❌ 誤り。幻視は意識障害(特に譫妄)に見られる症状ですが、失語症では言語機能の障害であり知覚異常は本質的ではありません。失語症患者に幻視は特異的ではない。
e. 記憶障害
❌ 誤り。記憶障害は意識障害や脳損傷全般に見られやすい症状ですが、失語症(言語機能障害)に特異的には出現しません。記憶能力の障害と言語能力の障害は別系統。
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【試験対策ポイント】
失語症と意識障害の出現症状の違い
| 症状 | 失語症 | 軽度意識障害 | 両者に共通 |
|---|---|---|---|
| 音韻性錯語 | ◎特異的 | ×なし | × |
| 意味性錯語 | ◎特異的 | △稀 | △ |
| 計算障害 | ◎ | ◎ | ◎○ |
| 書字障害 | ◎ | ◎ | ◎○ |
| 幻視 | ×なし | ◎特異的 | × |
| 記憶障害 | △軽微 | ◎ | △ |
| 注意散漫 | △軽微 | ◎著明 | △ |
キーポイント:
- 失語症=「言語体系」の障害(音韻性錯語・意味性錯語が特異的)
- 軽度意識障害=「覚醒度・注意」の障害(知覚異常・記憶障害が特異的)
- 両者の共通点=「高次脳機能」が必要な課題(計算・書字)で障害が顕著