STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第155問

失語症第25回
正しい組み合わせはどれか
  1. 1.語間代 ― 自己修正
  2. 2.発語失行 ― 音韻想起障害
  3. 3.反響言語 ― 言語性保続
  4. 4.ジャルゴン ― 補完現象
  5. 5.再帰性発話 ― 常同言語 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 再帰性発話―常同言語 再帰性発話(palilalia)とは同じ音や語をくり返す症状であり、常同言語(stereotyped speech)という反復性の言語産出の形態を示す。両者は意図しない反復現象という共通の特徴を持つため、正しい組み合わせとなる。 --- 【各選択肢の解説】 1. 語間代―自己修正 ❌ 誤り。語間代(interjection)は「あー」「えっと」などの感動詞や間投詞で、話者が言葉を選ぶ時間を稼ぐために挿入される現象である。自己修正(self-correction)は言い直しや訂正であり、別の概念である。 2. 発語失行―音韻想起障害 ❌ 誤り。発語失行(apraxia of speech)は運動計画・統制の障害で、音韻想起障害とは異なる。発語失行は「音の並列化」に困難があり、構音器官の指令システムの障害である。一方、音韻想起障害は物を名前で思い出せない命名障害に近い。 3. 反響言語―言語性保続 ❌ 誤り。反響言語(echolalia)は他者の発話をくり返す現象で、聴覚的入力への機械的な反応である。言語性保続(verbal perseveration)は一度産出した言葉が粘着的に繰り返される現象であり、異なるメカニズムを持つ。 4. ジャルゴン―補完現象 ❌ 誤り。ジャルゴン(jargon)は意味不明の造語や言語産出の無意味な音の列で、Wernicke失語に特徴的である。補完現象(fillwords)は言葉が思い出せない時に「あの…」などで時間を稼ぐ行動であり、ジャルゴンとは独立した現象である。 5. 再帰性発話―常同言語 ✅ 正しい。再帰性発話(palilalia)は同じ言語単位を不随意的に反復する現象で、常同言語(stereotyped speech)という同じ音や言葉の繰り返しという概念に分類される。パーキンソン病や小脳障害で見られる。 --- 【試験対策ポイント】 異常言語産出の現象:分類表 | 現象 | 定義 | 原因疾患・部位 | |---|---|---| | 再帰性発話 | 同じ音・語の不随意反復 | 小脳障害・パーキンソン病 | | 常同言語 | 決まった音・語・文を繰り返す | 前頭葉障害 | | 反響言語 | 他者発話の機械的繰り返し | 自閉症・前頭葉認知症 | | 言語性保続 | 前の言葉が粘着的に繰り返される | 前頭葉・基底核 | | ジャルゴン | 意味不明な造語・音の列 | Wernicke失語 | | 語間代 | 感動詞「あー」の挿入 | 正常現象(語彙選択中) | | 発語失行 | 音の並列化困難(運動計画障害) | Broca野・島皮質 | 紛らわしい3つの反復現象の区別: - 再帰性発話:本人の過去発話をくり返す - 反響言語:他者の発話をくり返す - 言語性保続:前の語が粘着的にくり返される
関連

▶ 第25回 全問一覧

▶ 失語症 の過去問一覧