第25回 言語聴覚士国家試験 第156問
失語症第25回
「時計はどれですか」と聞かれて「時計ってなんですか」と答えた場合、考えられるのはどれか
- 1.語想起障害
- 2.語音認知障害
- 3.統語理解障害
- 4.音韻の配列障害
- 5.単語の意味理解障害 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 単語の意味理解障害
患者は「時計」という単語の音声を聞き取れていますが、その意味が理解できていないため「時計ってなんですか」と聞き返しています。これは聴覚的単語理解の障害を示す典型的な反応です。
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【各選択肢の解説】
1. 語想起障害
❌ 誤り。語想起障害があれば、患者は「あ、あの…」と言いよどみながら言葉を探す特性を示します。本問では患者は「時計」という音声を理解していないことが問題なので、想起ではなく理解の障害です。
2. 語音認知障害
❌ 誤り。語音認知障害があれば「時計」という音声そのものを聞き取れず、「え?なんて言いましたか」と聞き返すはずです。本問では患者は「時計」を聞いて反応していることから、音声認知は保たれています。
3. 統語理解障害
❌ 誤り。統語理解障害は「○○と△△のうち、△△はどれ」など、文法的な関係性の理解低下を示します。本問は「時計」という単語1語の理解が問われているため、統語レベルではなく語彙レベルの問題です。
4. 音韻の配列障害
❌ 誤り。音韻の配列障害は構音障害に関連し、音の順序や配列が誤る現象(例:「時計」→「けい時」)です。本問では患者の理解が問題であり、発話音の配列ではありません。
5. 単語の意味理解障害
✅ 正しい。患者が「時計」という音を聞き、その意味内容を理解できずに「時計ってなんですか」と質問し返す反応は、聴覚的単語理解障害の典型例です。Wernicke失語やその他の感覚性失語での語義失語に該当します。
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【試験対策ポイント】
| 障害の種類 | 患者の反応例 | 聞き分け方 |
|---|---|---|
| 単語の意味理解障害 | 「時計ってなんですか?」 | 音は聞こえているが、その内容を理解していない |
| 語音認知障害 | 「え?なんて言いました?」 | 音声そのものが入力されていない |
| 語想起障害 | 「あ、あの…えっと…」 | 意味は理解しているが、言葉が出ない |
| 統語理解障害 | 「○と△のどちらか」が理解できない | 単語は理解できても、文法関係が不明 |
キーワード:
- 聴覚的単語理解←患者は音を聞き取っているが意味がわからない
- 語義失語←同じ単語でも意味が理解できない障害
- Wernicke失語では意味理解障害が顕著