第25回 言語聴覚士国家試験 第157問
失語症第25回
正しい組み合わせはどれか
- 1.ブローカ失語 ― ジャルゴン
- 2.ウェルニッケ失語 ― 語間代
- 3.伝導失語 ― 意味性錯語
- 4.超皮質性運動失語 ― 保続 ✓
- 5.超皮質性感覚失語 ― 接近行為
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 超皮質性運動失語 ― 保続
超皮質性運動失語は、両側の前頭葉皮質下白質に損傷があり、自発性の低下と保続(同じ言葉や動作を繰り返す)が特徴的な症状として現れます。流暢性は非流暢ですが、理解と復唱は良好に保たれることが診断基準です。
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【各選択肢の解説】
1. ブローカ失語 ― ジャルゴン
❌ 誤り。ブローカ失語の特徴は非流暢性(努力的・緩慢)で、語の産生が困難です。ジャルゴン(理解不可能な新造語や音韻の置き換え)はウェルニッケ失語やその他の流暢性失語で見られ、ブローカ失語の典型的な症状ではありません。
2. ウェルニッケ失語 ― 語間代
❌ 誤り。ウェルニッケ失語では流暢であるが理解不良が特徴で、発話は音韻錯語やジャルゴンで満ちています。語間代(語と語の間に無関連な言葉を挿入する)はブローカ失語や非流暢性失語に見られやすい症状です。
3. 伝導失語 ― 意味性錯語
❌ 誤り。伝導失語の最大の特徴は著しい復唱困難です。流暢性と理解は良好ですが、復唱時に意味性錯語(意味が関連する言葉への置き換え)よりも「音韻錯語」を示しやすいことが知られています。
4. 超皮質性運動失語 ― 保続
✅ 正しい。超皮質性運動失語は両側前頭葉皮質下白質損傷で、自発性低下と保続が顕著です。流暢性は非流暢、理解と復唱は良好という特徴的なプロフィールを示します。
5. 超皮質性感覚失語 ― 接近行為
❌ 誤り。超皮質性感覚失語は流暢な発話で理解が不良ですが、復唱は良好です。接近行為(相手の行動や物理的接触に自動的に反応する症状)は前頭葉損傷による症状の一つですが、この失語症の典型的な言語症状ではありません。
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【試験対策ポイント】
失語症の5つのタイプ(3軸で整理)
| 失語症タイプ | 流暢性 | 理解 | 復唱 | 典型的症状 |
|---|---|---|---|---|
| Broca失語 | 非流暢 | 良好 | 不良 | 語間代・新造語 |
| Wernicke失語 | 流暢 | 不良 | 不良 | ジャルゴン・音韻錯語 |
| 伝導失語 | 流暢 | 良好 | 著しく不良 | 音韻錯語 |
| 超皮質性運動失語 | 非流暢 | 良好 | 良好 | 保続・自発性低下 |
| 超皮質性感覚失語 | 流暢 | 不良 | 良好 | ジャルゴン・意味性錯語 |
重要:超皮質性運動失語は「復唱が良好」なのに「流暢性が低い」という矛盾した(一見奇妙な)プロフィール。これが識別の鍵。