STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第159問

失語症第25回
失語症について正しいのはどれか。 a.発語失行と言語機能障害との改善の程度は並行しない b.家庭内役割の確立はICFでの参加へのアプローチである c.生活機能の予後は失語症の重症度によって決まる d.生活期(維持期)には言語機能面へのアプローチを行わない e.家族に対する支援は急性期から行う 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,b,e 失語症の臨床管理において、発語失行と言語機能障害は異なる障害であり改善経過が必ずしも平行しない点、家庭内役割確立はICFの「参加」段階へのアプローチである点、そして家族支援は急性期から開始すべきである点が正しい。失語症の予後は重症度だけでは決まらず、また維持期にも継続的な言語機能面のアプローチが重要である。 --- 【各選択肢の解説】 a. 発語失行と言語機能障害との改善の程度は並行しない ✅ 正しい。発語失行は運動企画障害で、失語症は言語記号化の障害であり、神経基盤が異なる。そのため改善経過が異なり、一方が改善しても他方が改善しないことがある。両者が合併した場合、改善のタイムコース・程度は独立している。 b. 家庭内役割の確立はICFでの参加へのアプローチである ✅ 正しい。ICF(国際生活機能分類)は「心身機能・構造」→「活動」→「参加」の階層構造をもつ。「家庭内役割(親としての役割、配偶者としての役割)の確立」は社会的・文化的活動への参加を目指したアプローチであり、「参加」レベルのゴール設定である。 c. 生活機能の予後は失語症の重症度によって決まる ❌ 誤り。生活機能の予後は、失語症の重症度、発症後経過時間、年齢、学歴、社会的支援など複数の因子が関与する。重症度だけで決まるのではなく、本人の動機付け、家族サポート、リハビリテーション介入の質なども影響する。重症でも社会復帰できる例もあれば、軽症でも参加が限定される例もある。 d. 生活期(維持期)には言語機能面へのアプローチを行わない ❌ 誤り。維持期は進行期のような神経生物学的な劇的改善は期待しにくいが、言語機能の維持・微細な改善、学習効果による代償戦略の獲得は可能である。むしろ維持期こそ、言語機能面へのアプローチ継続が、機能低下防止と社会参加維持のために重要である。 e. 家族に対する支援は急性期から行う ✅ 正しい。家族は患者の主要なコミュニケーション相手であり、精神的負担が大きい。急性期から医学的説明、失語症の正しい理解、コミュニケーション方法の指導、心理社会的支援を開始することで、その後の回復過程を支える環境整備ができる。家族支援は全てのリハビリテーション段階で継続される。 --- 【試験対策ポイント】 失語症の回復段階別アプローチ比較 | 段階 | 時期 | 言語機能アプローチ | 家族支援 | 特徴 | |---|---|---|---|---| | 急性期 | 発症後2週間程度 | 軽微・安定確認重視 | 開始(医学説明・心理支援)| 神経動態が急変しやすい | | 回復期 | 2週〜3ヶ月 | 積極的訓練 | 継続(方法指導) | 神経可塑性が最も高い | | 維持期 | 3ヶ月以降 | 継続必須(機能維持・代償) | 継続(社会参加支援) | 劇的改善は少ないが維持が重要 | 発語失行vs言語機能障害(失語症) | | 発語失行 | 言語機能障害 | |---|---|---| | 障害レベル | 運動企画(運動
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