STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第160問

失語症第25回
失語症に対する認知神経心理学的アプローチについて誤っているのはどれか
  1. 1.失語型に基づいて治療法を選択する ✓
  2. 2.言語情報処理モデルを用いる
  3. 3.誤反応の分析を行う
  4. 4.症状の基底にある障害を特定する
  5. 5.単語の親密度や心像性が反応に及ぼす影響を重視する

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 失語型に基づいて治療法を選択する 認知神経心理学的アプローチは、失語型の分類(Broca失語やWernicke失語など)を重視するのではなく、個々の患者の「言語情報処理の障害パターン」を詳細に分析して治療を行う点が特徴です。同じBroca失語でも患者によって障害の部位や機序が異なるため、失語型という一般的なカテゴリーに基づいた標準的な治療法ではなく、個人の認知的特性に合わせたカスタマイズされた治療を行います。 --- 【各選択肢の解説】 1. 失語型に基づいて治療法を選択する ❌ 誤り。認知神経心理学的アプローチは、失語型という診断名に基づく一律的な治療ではなく、個々の患者の言語処理メカニズムの障害を特定した上で治療法を選択します。古典的な失語症分類に依存しない個別化されたアプローチが本質です。 2. 言語情報処理モデルを用いる ✅ 正しい。言語がどのような段階で・どのように処理されているかを説明するモデル(パス図など)を用いることで、障害の位置を特定し、治療標的を決定します。これが認知神経心理学的アプローチの核です。 3. 誤反応の分析を行う ✅ 正しい。患者がどのような誤反応を生じるか、その誤反応のパターンを詳細に分析することで、言語処理のどの段階が障害されているかが推測できます。音韻的誤反応なのか意味的誤反応なのかで障害部位が異なります。 4. 症状の基底にある障害を特定する ✅ 正しい。表面的な症状(呼称困難など)ではなく、その背後にある認知的障害(音韻処理障害か意味処理障害か、あるいはアクセス障害か表出障害か)を明確にすることが治療の前提です。 5. 単語の親密度や心像性が反応に及ぼす影響を重視する ✅ 正しい。患者の反応が使用頻度(親密度)や具体性(心像性)に影響されるかどうかは、障害の機序を推測するための重要な情報であり、認知神経心理学的アプローチでは積極的に検査に組み込まれます。 --- 【試験対策ポイント】 認知神経心理学的アプローチ vs 古典的失語症分類 | 観点 | 古典的分類 | 認知神経心理学的 | |---|---|---| | 着眼点 | 失語型(Broca、Wernickeなど) | 言語処理の障害メカニズム | | 診断基準 | 症状のパターン | 個人の認知的プロフィール | | 治療選択 | 失語型ごとの標準的治療 | 個人の障害部位に特化した治療 | | 分析対象 | 言語症状全般 | 誤反応の質・単語特性の影響 | 重要キーワード: - 言語情報処理モデル(パス図) - 誤反応分析(音韻的?意味的?) - 単語特性(親密度、心像性、品詞など) - 個別化治療
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