STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第162問

高次脳機能障害第25回
左同名性視野の欠損が合併しやすいのはどれか a.相貌失認 b.観念運動性失行 c.色彩失名辞 d.口下顔面失行 e.街並み失認 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e(相貌失認、街並み失認) 左同名性視野欠損は右後頭葉・側頭葉の損傷で生じます。相貌失認と街並み失認はいずれも右半球の視覚連合野の損傷で起こり、左同名性視野欠損を伴いやすい特徴があります。一方、観念運動性失行・色彩失名辞・口下顔面失行は左半球の言語優位側の損傷が主体であり、左同名性視野欠損とは関連性が低いです。 --- 【各選択肢の解説】 a. 相貌失認 ✅ 正しい。右下側頭回(顔認知領域)の損傷で生じ、同時に右後頭葉の損傷を伴うことが多いため、左同名性視野欠損が合併しやすい。顔の認知機能障害と視野欠損は異なる症状だが、解剖学的に隣接する領域の損傷により同時発生する。 b. 観念運動性失行 ❌ 誤り。左半球の角回周辺から頭頂葉にかけての損傷で生じる言語優位側の症候。左視野欠損(右半球損傷を示唆)ではなく、むしろ左半球優位の損傷であり、左同名性視野欠損とは無関係。 c. 色彩失名辞 ❌ 誤り。左後頭葉と脳梁の損傷(または左半球全般的な言語領域の障害)で色名称への接近不良が生じる。これは左半球の言語機能に関連し、左同名性視野欠損を伴う右後頭葉損傷とは直接関連しない。 d. 口下顔面失行 ❌ 誤り。左前頭葉の下前頭回(ブローカ領域周辺)の損傷で生じ、顔面・口腔領域への運動命令の障害。左半球優位の運動障害であり、右後頭葉損傷による左同名性視野欠損とは部位が異なる。 e. 街並み失認 ✅ 正しい。右後頭葉と側頭葉の視覚連合野(特に右中側頭回領域)の損傷で、環境認識障害が生じる。この領域の損傷は同時に右視覚野の損傷を伴うことが多く、左同名性視野欠損が高頻度で合併する。 --- 【試験対策ポイント】 視野欠損の部位と脳損傷部位の対応: | 視野欠損部位 | 損傷脳部位 | 該当する高次脳機能障害 | |---|---|---| | 左同名性視野欠損 | 右後頭葉・側頭葉 | 相貌失認、街並み失認 | | 右同名性視野欠損 | 左後頭葉・側頭葉 | (右視覚野損傷は非言語系) | | 両耳側半盲 | 視交叉圧迫 | 視野欠損のみ | 高次脳機能障害の半球局在: | 左半球優位 | 右半球優位 | |---|---| | 観念運動性失行(角回) | 相貌失認(下側頭回) | | 色彩失名辞(左後頭~脳梁) | 街並み失認(中側頭回) | | 口下顔面失行(下前頭回) | 地誌的見当識障害 | | 言語機能全般 | 空間認知・視覚的イメージ処理 | キーワード: - 相貌失認&街並み失認=右側頭葉系 → 右視野損傷 → 左同名性視野欠損 - 観念運動性失行&色彩失名辞
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