第25回 言語聴覚士国家試験 第163問
高次脳機能障害第25回
注意障害に対するアプローチについて誤っている組み合わせはどれか
- 1.環境調整 ― 余計な刺激を取り除く
- 2.直接的訓練 ― 課題を反復練習する
- 3.外的方略の利用 ― 間隔伸張法を用いる ✓
- 4.内的方略の利用 ― 自己教示法を用いる
- 5.障害認識への働きかけ ― 症状を具体的に説明する
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 外的方略の利用 ― 間隔伸張法を用いる
外的方略は「メモ、アラーム、カレンダー、タイマー」など環境や道具を活用する方法です。一方、間隔伸張法は学習心理学の原理であり、内的方略(認知的訓練)に分類されます。間隔伸張法を外的方略の例として挙げるのは誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 環境調整 ― 余計な刺激を取り除く
✅ 正しい。注意障害患者の注意分散を防ぐため、テレビやノイズなど無関関な刺激を最小化する基本的アプローチです。注意機能の代償手段として重要です。
2. 直接的訓練 ― 課題を反復練習する
✅ 正しい。CPTやストループテストなど、注意機能そのものを鍛える訓練法です。段階的に難度を上げながら実施されます。
3. 外的方略の利用 ― 間隔伸張法を用いる
❌ 誤り。間隔伸張法は「学習刺激の提示間隔を徐々に延ばす」という学習原理であり、内的方略(認知訓練)に該当します。外的方略は「手帳・携帯電話・タイマー・付せん」など、患者の外部環境に働きかける代償手段です。
4. 内的方略の利用 ― 自己教示法を用いる
✅ 正しい。自己教示法は「注意を向けるべき内容を自分で声に出す、または心の中で繰り返す」という認知的訓練です。Meichenbaum法として有名です。
5. 障害認識への働きかけ ― 症状を具体的に説明する
✅ 正しい。注意障害患者は自分の障害を認識していないことが多いため、検査結果や日常生活での失敗場面を具体的に示し、本人の自覚を促すことが治療の前提になります。
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【試験対策ポイント】
注意障害アプローチ分類表
| アプローチ | 具体例 | 作用原理 |
|---|---|---|
| 環境調整 | 刺激除去、静かな場所の確保 | 注意分散防止 |
| 直接的訓練 | CPT、ストループテスト、反応時間訓練 | 残存機能の強化 |
| **外的方略** | **手帳、タイマー、携帯電話、付せん** | **道具による代償** |
| **内的方略** | **自己教示法、イメージ化、言語化、間隔伸張法** | **認知的技能の習得** |
| 障害認識への働きかけ | 検査結果の提示、失敗場面の振り返り | 病識形成 |
重要:間隔伸張法は「内的方略」(患者の認知処理を鍛える)であり、「外的方略」(環境や道具)ではない点がこの問題の区別ポイントです。