第25回 言語聴覚士国家試験 第173問
言語発達障害学第25回
ペアレントトレーニングについて正しいのはどれか
a.ペアレントメンターの指導が必要である
b.講義によって子供の行動特徴の理解を図る
c.親が子供の好ましい行動をほめて強化する
d.子育てのストレス軽減につながる
e.行動目標ではなく態度目標を設定する
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — b,c,d
ペアレントトレーニングは、親が子どもの行動特性を理解し、具体的な行動支援スキルを習得することで、親子関係を改善し、子どもの発達を促進するプログラムです。講義による知識習得と、親による強化技法の実践、およびストレス軽減が主要な要素となります。
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【各選択肢の解説】
a. ペアレントメンターの指導が必要である
❌ 誤り。ペアレントトレーニングは専門家(SLPや臨床心理士など)による指導が標準です。ペアレントメンターの活用は補足的な役割であり、必須ではありません。プログラムの根拠となる行動理論の説明には専門的知識が必要です。
b. 講義によって子供の行動特徴の理解を図る
✅ 正しい。ペアレントトレーニングの第一段階は、子どもの発達段階、言語障害の特性、行動特徴(なぜそのような行動が生じるのか)を親が理解することです。講義や心理教育がこれに該当します。
c. 親が子供の好ましい行動をほめて強化する
✅ 正しい。強化原理(オペラント条件付け)に基づき、親が好ましい行動を積極的に認識・ほめ・褒賞することで、その行動の頻度を増加させます。これはペアレントトレーニングの中核的スキルです。
d. 子育てのストレス軽減につながる
✅ 正しい。子どもの行動が改善され、親が効果的なコミュニケーション・支援スキルを習得することで、養育負担感が低下し、親自身のストレス軽減と心理的ウェルビーイング向上が期待されます。
e. 行動目標ではなく態度目標を設定する
❌ 誤り。ペアレントトレーニングでは「具体的で測定可能な行動目標」を設定します。例えば「子どもが指差しをしたときに言葉でラベリングする」など観察可能な行動です。態度や信念の変化ではなく、実行可能な行動変容が焦点です。
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【試験対策ポイント】
ペアレントトレーニングの5つの要素:
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 心理教育 | 講義によるお子さんの発達・障害理解 |
| スキル習得 | 強化・モデリング・般化などの行動技法 |
| 実践練習 | ロールプレイや宿題による家庭実践 |
| フィードバック | 親の実施状況への専門家からの具体的助言 |
| 評価 | 目標達成度の測定(行動の増減・頻度) |
紛らわしい概念の区別:
- ペアレント「メンター」:同じ経験を持つ親による支援(サポート的)
- ペアレント「トレーニング」:専門家による構造化されたプログラム(教育的)
目標設定の原則:
× 「親の態度をポジティブに」(評価困難)
○ 「1日3回、子どもの行動に言語で応答する」(カウント可能)
ストレス軽減のメカニズム:
子どもの行動改善 → 親の無力感低下 → セルフエフィカシー向上 → 心理的余裕増加