第25回 言語聴覚士国家試験 第174問
音声障害第25回
疾患と誘因との組み合わせで正しいのはどれか
a.ポリープ様声帯 ― 喫煙
b.声帯結節 ― 加齢
c.声帯委縮 ― 音声酷使
d.声帯麻痺 ― 胸部大動脈瘤
e.急性声門下喉頭炎 ― ウィルス感染
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a,d,e
音声障害における疾患と誘因の関係は、病態生理と臨床的知見に基づいて判断する必要があります。ポリープ様声帯は喫煙と胃食道逆流による刺激が主要因、声帯麻痺は左反回神経の損傷(胸部大動脈瘤や肺癌など)が代表的原因、急性声門下喉頭炎はウイルス感染が主要因です。これら3つが正しい組み合わせです。
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【各選択肢の解説】
a. ポリープ様声帯 — 喫煙
✅ 正しい。ポリープ様声帯(ポリポイド声帯)の主要な誘因は喫煙と胃食道逆流です。慢性的な煙による刺激と酸による粘膜障害が相互に作用して、声帯全体が浮腫性に腫大します。
b. 声帯結節 — 加齢
❌ 誤り。声帯結節の主要誘因は音声酷使(大きな声の反復使用)であり、加齢ではありません。小児から青年期に多く見られ、加齢による声帯萎縮(声帯委縮)とは異なります。
c. 声帯委縮 — 音声酷使
❌ 誤り。声帯委縮(声帯萎縮)の主要誘因は加齢です。高齢化に伴う筋萎縮と弾性線維の減少により、声帯の質量が低下します。音声酷使は結節や血管拡張症を引き起こしますが、委縮の原因ではありません。
d. 声帯麻痺 — 胸部大動脈瘤
✅ 正しい。左反回神経は大動脈弓の下を巻き込んで走行するため、胸部大動脈瘤による圧迫が声帯麻痺(特に左側)の重要な誘因です。左側反回神経麻痺は臨床的に最も頻度が高い状況の一つです。
e. 急性声門下喉頭炎 — ウイルス感染
✅ 正しい。急性声門下喉頭炎(クループ)はパラインフルエンザウイルスなどのウイルス感染が主要原因です。小児(生後6ヶ月~3歳)に好発し、犬吠様咳嗽と吸気性喘鳴が特徴です。
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【試験対策ポイント】
| 疾患 | 正しい誘因 | 誤りやすい点 |
|---|---|---|
| ポリープ様声帯 | 喫煙、胃食道逆流 | 結節との違いを認識 |
| 声帯結節 | 音声酷使 | 加齢ではない(結節は若年) |
| 声帯委縮 | 加齢 | 音声酷使ではない |
| 声帯麻痺 | 左反回神経損傷(大動脈瘤・肺癌・甲状腺癌) | 胸部大動脈瘤は左側麻痺の典型例 |
| 急性声門下喉頭炎 | ウイルス感染(パラインフルエンザ) | 小児特有の疾患 |
重要な否定知識:
- 声帯委縮の主因は「加齢」であり「音声酷使」ではない
- 声帯結節は「音声酷使」が主因であり「加齢」ではない