第25回 言語聴覚士国家試験 第178問
機能性構音障害第25回
3歳5か月の女児。構音器官の形態異常は認めないが、サ行音が言えない。適切でない対応はどれか。
- 1.直接的介入を開始する
- 2.自然治癒の可能性を保護者に伝える
- 3.サ行音が入る言葉を避けるように指導する ✓
- 4.家庭で舌を使う遊びを行ってもらう
- 5.心理的サポートに努める
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — サ行音が入る言葉を避けるように指導する
3歳5か月時点でのサ行音の不明瞭は、多くの場合発達途上の現象です。構音器官に形態異常がない機能性構音障害では、**音韻発達を促すために当該音を含む語彙の使用を促進すべき**であり、回避させることは音韻習得を妨げます。選択肢3は言語発達を阻害する不適切な指導です。
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【各選択肢の解説】
1. 直接的介入を開始する
✅ 正しい。3歳5か月でサ行音が明らかに不明瞭な場合、言語聴覚士による直接的介入(音韻療法)は適切です。発達が遅滞している可能性を評価し、必要に応じて早期支援を行うことが重要です。
2. 自然治癒の可能性を保護者に伝える
✅ 正しい。機能性構音障害では自然治癒例も多く、保護者に「発達の個人差」や「予後の可能性」を説明し、過度な不安を軽減することは必要です。しかし自然治癒を待つだけでは対応不足です。
3. サ行音が入る言葉を避けるように指導する
❌ 誤り。音韻習得には該当音を含む言語刺激への露出が必須です。サ行を避けることで習得機会を失わせるため、音韻発達を遅延させます。むしろサ行語彙の使用環境を整備すべきです。
4. 家庭で舌を使う遊びを行ってもらう
✅ 正しい。家庭での口腔運動遊び(舌の動き、音遊び)は音韻発達を促進します。保護者参加型の言語刺激提供は機能性構音障害の支援として有効です。
5. 心理的サポートに努める
✅ 正しい。発音の誤りによる本人の劣等感や保護者の不安を軽減し、前向きに介入に取り組める環境づくりは重要な支援です。
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【試験対策ポイント】
機能性構音障害の対応原則:
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 言語刺激 | 該当音を「含める」(避けない) |
| 介入時期 | 3~4歳時点での不明瞭さは評価・支援開始の目安 |
| 自然治癒 | 存在するが、全例ではない。待機は不適切 |
| 家庭支援 | 親教育・環境調整が効果的 |
| 心理支援 | 本人・保護者の不安軽減が前提条件 |
頻出陥穽:「音を避けさせる」「完全に治るまで待つ」は誤り。**早期発見・早期支援・刺激提供が基本**です。