第25回 言語聴覚士国家試験 第181問
臨床神経学第25回
70歳男性。声は小さく、気息性。抑揚に乏しく単調な発話。安静時に口唇の振戦。疑うべき障害部位はどれか。
- 1.大脳基底核 ✓
- 2.延髄
- 3.顔面神経核
- 4.小脳
- 5.舌下神経
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 大脳基底核
患者の臨床症状「声が小さい」「気息性」「抑揚に乏しく単調な発話」「安静時の口唇振戦」の組み合わせは、パーキンソン病など大脳基底核障害に典型的です。特に安静時振戦(静止時振戦)は大脳基底核障害の病的な徴候であり、他の部位障害では見られません。
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【各選択肢の解説】
1. 大脳基底核
✅ 正しい。パーキンソン病(黒質の変性)による症状の集合です。「小声」「気息性嗄声」「単調な発話」は運動低下性構音障害の特徴であり、加速現象も伴います。安静時に見られる「4~6Hzの規則的な振戦」(ピローリングとも呼ばれる)は大脳基底核障害の病的徴候です。
2. 延髄
❌ 誤り。延髄損傷は球麻痺を引き起こし「開鼻声」「鼻漏」「嚥下困難」など異なる症状パターンです。振戦は出現しません。
3. 顔面神経核
❌ 誤り。顔面神経核損傷は口唇周囲の筋力低下・麻痺を生じますが、「単調な発話」や「安静時振戦」は生じません。また音声障害の性質が異なります。
4. 小脳
❌ 誤り。小脳障害は「失調性構音障害」(断綴性発話・スキャニングスピーチ)を特徴とし、「単調性」よりも「不規則な速度変化」が目立ちます。安静時振戦は小脳障害では出現しません。
5. 舌下神経
❌ 誤り。舌下神経麻痺は舌の筋力低下に限定され、全体的な「小声」「気息性」「単調な抑揚」といった包括的な音声障害は生じません。また振戦は伴いません。
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【試験対策ポイント】
| 障害部位 | 構音障害の性質 | 特徴的症状 | 振戦 |
|---|---|---|---|
| 大脳基底核(錐体外路) | 運動低下性 | 小声・加速現象・単調 | 安静時振戦(4~6Hz) |
| 小脳 | 失調性 | 断綴性・スキャニング | なし |
| 延髄(球麻痺) | 弛緩性 | 開鼻声・鼻漏 | なし |
| 顔面神経 | 麻痺性 | 口唇の動き制限 | なし |
| 舌下神経 | 弛緩性 | 舌筋萎縮・舌偏位 | なし |
パーキンソン病の構音障害の鍵語:「小声」「気息性」「単調」「加速現象」「ハイポキネティック」
「安静時振戦」の出現部位を選ぶ問題:大脳基底核障害が圧倒的に多い選択肢構成