STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第184問

嚥下障害第25回
嚥下障害に対する直接訓練法とその目的との組み合わせで誤っているのはどれか
  1. 1.息こらえ嚥下 ― 嚥下反射惹起前の声門閉鎖
  2. 2.努力嚥下 ― 咽頭嚥下圧生成
  3. 3.メンデルゾーン法 ― 食道入口部開大時間の延長
  4. 4.K-point刺激法 ― 唾液分泌の誘発 ✓
  5. 5.スライス型ゼリー丸飲み法 ― 食塊形成困難の補助

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — K-point刺激法 ― 唾液分泌の誘発 K-point刺激法は嚥下反射の惹起が目的であり、唾液分泌の誘発を目的とした訓練法ではありません。K-pointは口腔後部の特定部位であり、この部位への刺激により嚥下反射が起動しやすくなるメカニズムを利用した反射促通法です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 息こらえ嚥下 ― 嚥下反射惹起前の声門閉鎖 ✅ 正しい。息こらえ嚥下は、嚥下時に呼気を停止して声門を閉鎖させることで、誤嚥防止を強化する訓練法です。嚥下反射惹起の直前に力強く声門を閉じることが目的です。 2. 努力嚥下 ― 咽頭嚥下圧生成 ✅ 正しい。努力嚥下は嚥下時に意識的に強く嚥下することで、咽頭構音筋群を収縮させ、咽頭嚥下圧(咽頭腔内の陽圧)を増加させる訓練法です。咽頭通過障害の改善に有効です。 3. メンデルゾーン法 ― 食道入口部開大時間の延長 ✅ 正しい。メンデルゾーン法は嚥下時に喉頭を上方挙上したままの位置で保持することで、咽頭期延長中に食道入口部(下咽頭括約筋)の開大時間を延長させる訓練法です。咽頭期から食道期への通過を改善します。 4. K-point刺激法 ― 唾液分泌の誘発 ❌ 誤り。K-point刺激法は「嚥下反射の惹起」が目的です。口腔後部の特定部位(K-point:いわゆる上咽頭の嚥下反射惹起点)への刺激を通じて、減弱した嚥下反射を促通する反射促通法であり、唾液分泌ではなく反射活動の誘発を目指しています。 5. スライス型ゼリー丸飲み法 ― 食塊形成困難の補助 ✅ 正しい。スライス型ゼリー(ジェリー)は自己粘着性があり、舌が添える程度で纏まりやすい特性があります。食塊形成困難な患者でも容易に嚥下でき、口腔期の負担を軽減する食形態補助法です。 --- 【試験対策ポイント】 | 直接訓練法 | 目的 | 対象障害 | |---|---|---| | 息こらえ嚥下 | 声門閉鎖強化 | 誤嚥防止 | | 努力嚥下 | 咽頭嚥下圧増加 | 咽頭通過障害 | | メンデルゾーン法 | 食道入口部開大時間延長 | 咽頭~食道移行障害 | | K-point刺激法 | **嚥下反射惹起** | 反射減弱 | | スライス型ゼリー法 | 食塊形成補助 | 口腔期障害 | **K-point刺激法の重要否定知識:** - 唾液分泌誘発ではない - 反射促通法(反射活動を促す)である - 嚥下反射減弱患者に適用
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