第25回 言語聴覚士国家試験 第193問
小児聴覚障害第25回
1歳児に人工内耳植込術を受けた女児。4歳児に他障害の存在が判明した。可能性のある疾患はどれか。
a.ワーデンブルグ症候群
b.脳性麻痺
c.チャージ症候群
d.アッシャー症候群
e.自閉症スペクトラム障害
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d.アッシャー症候群、e.自閉症スペクトラム障害
1歳で人工内耳を植込むほどの先天性聴覚障害を持ちながら、4歳になって初めて他障害が判明するという時間軸が重要です。この時間経過に合致する疾患は、後天的に症状が進行・顕在化するもの、または幼少期には診断されにくいものに限定されます。
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【各選択肢の解説】
a. ワーデンブルグ症候群
❌ 誤り。ワーデンブルグ症候群は先天性の遺伝性疾患であり、先天性聴覚障害と同時に皮膚色素異常(虹彩の異色、白髪、眼間距離の拡大)が出生時から存在します。4歳での新たな症状判明とは矛盾します。
b. 脳性麻痺
❌ 誤り。脳性麻痺は周産期脳損傷による運動障害であり、先天性聴覚障害との遺伝的関連性がなく、1歳時点で診断可能な運動発達遅延が通常は既に明らかです。後発性の疾患ではありません。
c. チャージ症候群
❌ 誤り。チャージ症候群は22q11.2欠失症候群と同様、先天性多臓器奇形症候群です。心奇形、口蓋裂、後鼻孔閉鎖、聴覚障害が出生時から存在し、4歳での初発症状ではなく、より早期に診断されます。
d. アッシャー症候群
✅ 正しい。アッシャー症候群は先天性聴覚障害と後天性進行性視覚障害(網膜色素変性症)を特徴とする遺伝性疾患です。聴覚障害は先天性ですが、網膜色素変性症は幼少期には症状が顕在化せず、通常4〜10歳代に暗順応障害や視野狭窄として発症・診断されます。この時間軸が問題の設定と完全に一致します。
e. 自閉症スペクトラム障害
✅ 正しい。自閉症スペクトラム障害は発達障害であり、先天的に脳の発達異常がありますが、1歳時点では診断が困難です。社会的相互作用の障害、常同行動、こだわりといった特性は言語発達と並行して4〜5歳に明らかになることが多いため、後発的に「判明」する可能性が高いです。また、先天性聴覚障害との遺伝的・因果関係はありません。
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【試験対策ポイント】
時間軸と症状の発症パターン
| 疾患 | 聴覚障害 | 他障害 | 判明時期 |
|---|---|---|---|
| ワーデンブルグ | 先天性 | 色素異常(先天性) | 出生時~乳幼児期 |
| 脳性麻痺 | 伴うことあり | 運動障害(先天性) | 乳幼児期(~1歳半) |
| チャージ | 先天性 | 多臓器奇形(先天性) | 新生児~乳幼児期 |
| **アッシャー** | **先天性** | **網膜色素変性(後天性進行性)** | **聴覚:出生時、視覚:4~10歳** |
| **自閉症** | **伴うことあり** | **発達障害(早期診断困難)** | **1~2歳診断可だが、顕著化:4~5歳** |
**このイメージで解く**
- 「1歳で聴覚障害→4歳で新たな障害判明」
- = 後天性進行性疾患(アッシャー)